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22. ページ22

あー、赤葦くんのバカ。嬉しいけどさ。


今日は嫌なこと忘れるつもりで来たのに、また傷が疼いてくるじゃんか。





『赤葦くん凄すぎ。全部正解だよ。

本当は自分が一番嫌いなんだよね。

あの子に負けて当然と思ってるのも。

全力でやって負けるのが嫌で、まだ私は本気じゃないってスタイルで生きるのも。

もう疲れちゃった。

周りが楽しそうに恋愛してるのも、チームメイトがやる気ないのに上手いのも。

なんか全部全部嫌になったんだ。

暑さのせいだといいのにね、これもさ。

でも、ありがとうね。認めてもらえるって、嬉しいんだね。』





赤「暑さのせいですよ。

だから目から汗が止まらないのも仕方ないです。」

そう言った赤葦くんは私に近づき、目尻の涙を掬ってくれる。


『そう、これは汗、だからね!』


メイクしてるのに嗚咽が止まらない。


ここでも可愛く泣けない自分に笑えた。


仕舞いには、


"ほら、今なら無料です。"


なんて腕広げてくるから、雀田さんのこともすっかり忘れて、あの二人のことも今は頭になくて。


驚いて固まった私をすっと引き寄せた赤葦くん。


あやすように背中をさすられる。


"これもあれです、夏の魔物のせいってやつですから。"


練習中聞こえる冷静な声なんかじゃなくて、甘さが含まれた赤葦くんの声は毒だ。


気づいたら背中に腕を回してしまった自分がいた。

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設定タグ:ハイキュー , HQ , 梟谷   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:...syokatsu... | 作成日時:2022年9月10日 4時

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