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まぁなんとかなるでしょ、なんて、流れに身を任せていたら、7月最終日、夏祭りの日を迎えてしまった。
男バレのマネージャーはわからないけど、女バスは練習後で、浴衣面倒の意見が全員一致して私服に統一された。
白「Aー!こっち!」
『わぁ、雪絵ちゃん!浴衣似合ってる!』
白地に色とりどりの朝顔が咲いた浴衣は、雪絵ちゃんが明るい髪色なのもあって似合ってる。
白「ありがとうー、Aも色気出てるよ。」
『えー、そんなことないけどありがとう!
あれだよ、メイク!ちょっとケバくしちゃったからかなぁ。
まぁ、今日くらいいいよね!』
そうやって、雪絵ちゃんと話してるうちに、メンバーがゾロゾロ集まってきた。
おー、男バレは、騒がれるだけあるな。
綺麗に引き締まった身体も、甚兵衛から覗く長い足も、色気を助長させるには十分すぎた。
雀「じゃあみんな集まったね!
今日は女バスの皆さんも来てくれてありがとう。」
雀田さんはマネージャーなだけあってしっかりしてる。
だからこそ普段甘えられない分、赤葦くんに頼りたくなるのかなぁ。
雀「花火は8時半からで、この人数だと多いから、8時半にここに集合ってことで自由にしよう!」
これら、男バレの案らしい。
けどいい案だと思う。
これで友達も先輩と二人でいられるだろうし、雪絵ちゃんも然り。
木「お、A!浴衣じゃないんだな!」
『うん。木兎は甚兵衛にしたんだね。』
木「白福たちが浴衣だからな!
あ、白福!食べ物制覇しに行こうぜー!」
私に話しかけたと思ったら、次の瞬間には雪絵ちゃんの方に駆けていく木兎。
雪絵ちゃんも表情はあまり変わらないように見えるけど誘われて嬉しそうだ。
それに、あの二人なら全制覇しかねない。
「じゃあ、私先輩のところ行ってくるね!」
友達も私の側を離れて行った。
幸せそうで良かった。
同い年の人に振り回されてるのは見るに耐えなかったからね。
思わせぶりばっかりで何度キレそうになったことか。
鷲尾たちは男子で回るみたいだし、女バス内でもグループはあるからなぁ。
折角夏祭りに来ておいてなんだけど、近くのカフェでも時間潰そうかな。
花火は観れるしね。
誰も気付いてないようだし一人で逆方向に向かう。
グイッ
『うおっ!』
やばい、女じゃない声が出た。
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作者名:...syokatsu... | 作成日時:2022年9月10日 4時