18.夏祭り ページ18
顔を洗って、暫くしてから部室に戻った。
「あ、Aじゃん!遅かったねー」
『んー、木葉と話してたからさ!』
チームメイトが、バスに乗り遅れたらしく、部室に戻ってきていた。
ナイスタイミング。
少し早かったら泣き顔を見せてしまうところだった。
この子はよく話を聞いてくれて、振られた時には、あんな最低な二人忘れちゃいなよ、そう励ましてくれた素敵な子だ。
「そういえばさー、そろそろいいんじゃない?失恋には新しい恋だよ!」
『またその話ー?』
失恋して2ヶ月。
最近この子はこればっかりだ。
『私のことはいいからさ、そっちはどうなのよ。』
「なんかあいつに振り回されてばっかでさー。
最近は仲良くしてくれる先輩の方が気になったりー?」
最後の方は声が小さくなっていくのが可愛い。
私は、付き合ってないんだから好きな人が変わるのも自由だと思うけどなぁ。
「でね、その先輩バレー部で春高まで残るらしくてね。
夏祭り男バレと女バスで行くじゃん?
二人で途中抜けるかも。」
ごめんね!なんて言われるけど、むしろ大歓迎。
この子があいつにどれだけ振り回されてきたか知ってるからね。
青春すぎだろ。誰ですかその先輩!全然応援する!
でも少し寂しい。
女バスも全員仲良いけど、腹割って話せるのはこの子だからなぁ。
『まぁ気にしないでね。
その時は適当にぶらぶらしとくしさ!
いい報告を待ってるよ。』
そんな風に返すと、すかさず
「いや、木葉あたりと居ればいいじゃん!」
と返される。
いや、木葉も好きな人いるから邪魔できないしなぁ。
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作者名:...syokatsu... | 作成日時:2022年9月10日 4時