【HQ】君が傷に染みて (改訂版) (ページ11)

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結局、ギクシャクしてしまったが、木兎たちが一斉に帰ってきたから、赤葦くんとそのあと話すことはなく解散になった。

そして、憂鬱な期末テストを終えた。

白「テスト返ってきたー。Aー、私全部平均超えてた。ありがとうー。」

雪絵ちゃんに感謝されるなら、あの勉強会に行った甲斐があったってもんよ。

『良かった！これで練習も行けるね！お互い今日から部活頑張ろう！』

そう言って、バイバイ、と手を振って教室を出た。

テストも終えて、今日からやっと部活ができる。

練習ってキツいけど、なんだかんだないと寂しいもんだな。

１週間以上動いていなかったから、早く体育館に行って、早くボールに触れて感覚を戻したい。

その思いで廊下を走ったのが間違いだった。

「「わっ！」」

ガタイのいい人とぶつかる。顔を上げると見慣れた顔の木兎だった。

木「お、A！先生が俺のこと探してても見てないって言ってくれー！」

そう言って、私が尻餅ついたのに見向きもせずに走り去っていく。

いや、期待はしてなかったよ。

けども大丈夫？の一言もないのが木兎らしいというか。

立ち上がって先を急ごうとすると、隣のクラスの担任が走ってきた。

先「木兎見てないか？！」

『見てないですけど。どうしたんですか？』

先「あいつ、赤点補習あるのに逃げたんだよ！」

あー、理由に納得。去年もよく教師と追いかけっこしてたもんなぁ。

先「見かけたら職員室に呼んどいてくれ！」

なんて捨て台詞を吐いて、先生は階段を降りていった。

うん、見なかったことにしよう。私も早く部活行きたいし。

こういう時は経験則で関わらないのが一番だとわかってるからね。