▼ イエスかノーか ページ4
………………。
私と真冬くんの間に流れる沈黙。
いや、逆に私にどうしろと!?
「 えぇ……。真冬くん? 真冬くんのお母さんもきっと心配してるだろうから、一緒に住むのはさすがに…… 」
「 っ、…僕、いえにかえりたくない…… 」
両目から溢れださんばかりの涙をためて、こっちを上目遣いで見上げてくる真冬くん。
破壊力は抜群だ!!
どうする…どうする東雲A!!
教育者として警察に引き渡すか、
真冬くんのためにここに住まわせるか、
答えは二つに一つの、イエスかノーだっ…。
そして、
私は悩みに悩みぬいて一つの選択をとった。
.
「 私、基本的に仕事で朝早くから夜遅くまで家に居られないけど……待ってられる? 」
「 ……!!
おねえさんっ! 」
″それってつまり……″という期待で一杯の眼差しを向けられ、目をつぶりたくなる。
私はハァ…とため息をつき、こう言った。
「 ……いいよ 」
「 ……。
やっっっったあああああ!! 」
ばいざーい!と、リビングの中をトテトテッと駆け回る真冬くん。
かなり嬉しかったようだ。
真冬くんの生活用品とか集めないとだし、これから忙しくなりそうだな……。
まぁでも、こんな日も────悪くない。
「 おねえさん! 」
ふいに、真冬くんから声をかけられた。
「 ん? 」
自分より何十センチも低い真冬くんと目線が合うようにしゃがんであげる。
.
「 ──ありがとう、東雲さん 」
こっちを見上げながらそう言った真冬くんはさっきまでの無邪気な顔なんかじゃなくて…
どこか、
色っぽさを兼ね備えた顔をしていた。
.
「 ……え? ま、ふゆくん、いま… 」
″何で私の名字を知っていたの?″
「 おねえさん! お腹すいたー!! 」
いいかけた言葉は真冬くんによって言うことができなかった。
真冬くんは……分からないことだらけだ。
「 頑張らなくっちゃ……! 」
気合い十分に意気込んだ。
「 …… 」
そんな私を後ろで真冬くんが見つめていたことには気づかなかった。
613人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
氷華姫雪(ヒョウカヒメユキ) - めちゃくちゃ面白かったです、これからも頑張って下さい応援してます (2020年5月7日 4時) (レス) id: 8b93bdd91a (このIDを非表示/違反報告)
納豆巻き(プロフ) - 宇宙人さん» そう言ってもらえると嬉しいですー!まふ君可愛いですよね!元が良いからどんな作品でも可愛く見えます(*´ω`*) (2018年7月24日 23時) (レス) id: fe7138416d (このIDを非表示/違反報告)
納豆巻き(プロフ) - 雨神@あまがみ えいるさん» コメント遅くなってしまい申し訳ありませんでした!!もしも的な話、書かせてもらいます!!これからも頑張ります! (2018年7月24日 23時) (レス) id: fe7138416d (このIDを非表示/違反報告)
納豆巻き(プロフ) - なおみさん» コメント遅くなってしまい申し訳ありませんでした!orz 書かせてもらいます!! (2018年7月24日 23時) (レス) id: fe7138416d (このIDを非表示/違反報告)
宇宙人 - 作品名だけでわかる絶対まふ君可愛いやつ作品名見ただけで、めっちゃ楽しみ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆ (2018年7月13日 0時) (レス) id: 5735cf3e3a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ