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…私が広斗のもとを離れる時ね。
広斗、しかめっ面だった。
私は、多分心のどこかで
私を手放したことを
後悔してほしかったのかもしれない。
だから広斗のその顔を見たとき、
心がなにか
空っぽになってしまったみたいな。
そんな変な感覚になったの。
泣きそうになって、黒いものが渦巻いて。
広斗から逃げた。
広斗は、わがままな私を
嫌ったんじゃないかな?
だからきっと―
山王の奴らとくっつきたいなら
くっつけって言ったの。
さっき、偶然広斗に会った。
酒屋の帰り道。
言葉がよみがえって、悔しくなって
思い切りトバして逃げたんだけど…
捕まった。
手首思い切りつかんで、
泣きそうなあたしの顔
つかんで無理矢理上げさせて。
なんで俺の前から消えたって。
どうしていなくなったって言われた。
冗談だと思った。
私は、広斗が私に飽きたんだと思ってた。
だからあんな言葉吐いたりして、
しかめっ面で手放したんだって。
あながち、間違いじゃなかったのかもね。
思い続けて、苦しい思いしてたのは
私だけだった。
そこでぷつん、って
私の中の何かが切れた。
だから私は、広斗に初めて怒鳴った。
理由すらもわからないお前なんかに
従ってやる義理はないってね。
…自分で別れ告げといて、苦しいの。私。
今すっごく苦しい。
誕生日も忘れてしまうくらいに
苦しくて押しつぶされそうになった。
誰かに吐き出さなきゃ壊れそうだった。
前みたいに誰かを
傷つけてまわりそうで怖くなった。
…ごめんね。
なんだか私山王街に来てから―
君たちと出会ってから。
甘えっぱなしで弱くなってる気がする。
…もう少ししたら出て行くから。
今は、ここにいさせてくれない?
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オレンジ★ジュース - はじめまして!!!!!!私も最初から全部読みました!更新楽しみです頑張ってください(*^_^*) (2017年3月20日 1時) (レス) id: 2ecf1ffa5e (このIDを非表示/違反報告)
玄ちゃん - はじめまして(*^^*) 最初から全部読みました! ここまで書いたのにここで終わりにするのはもったいないと思います!! 更新が再開されることを楽しみに待ってますo(*⌒―⌒*)o (2017年1月22日 14時) (レス) id: f00d27de65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイにゃん | 作成日時:2016年9月15日 6時