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「よーっす」

聞き慣れたドアベルが響き、
ITOKANのドアがゆっくりと開いた。

ナ「おう、わりぃな、今日も。」

「いや、全然気にしてないよ。大丈夫。」

いまだに私はITOKANでのバイトを
続けている。
店の奥でエプロンに
着替えて戻ってくると、
ちょうどコブラ達が荷物をもって
ドアを開けたところだった。
おす、とかちーっす、とか
口々に挨拶を交わして
彼らはいつもの定位置についた。

「なんか食う?」

ヤ「あー…、今日はいいや。」

口を開けば食いもんがつまっている
ヤマトのことなのに。
これは、珍しい。
しかもなんか怪しい感じがする。
それは他の皆も同様だった。

テ「あーっ!!思い出したぁ!!」

突如テッツが激しい棒読みで
そう叫んだ。

テ「Aさん、
酒買ってきてくれません?
俺達今買い物してきたばっかで、
疲れちゃって…!!」

ナ「…酒、ちょうどねーんだよ。
悪ぃ、A。」

テッツはどこか嘘くさいが、
ナオミが後押ししたのもあって
しぶしぶITOKANから出て行った。
バイクのエンジンをかけて、
―広斗と同じタイプの
フルフェイス型ヘルメットをつける。

ヘルメットを買うときにちょっと悩んだ。
直感的にはフルフェイスだけど、
それじゃまるで私が
広斗の面影を追っているみたいで。
重い女みたいで、嫌だった。
もしかしたら私は無理やり広斗のことを
嫌いになっているだけで、
実質まだその姿を
忘れられないのかもしれない。

特に、同じタイプを買ってしまうあたり。





しばらく走ると
私が気に入っている酒がおいてある
酒屋にたどり着いた。
ここは店長の気がよくて、
高いワインとかを買ったりすると
チューハイ缶をおまけしたり
してくれるのだ。

店「うい、いらっしゃい!
あ、Aちゃん!!
来てくれたんだね。」

「はい。お久しぶりです。
あの、オススメのワインとか、
ウィスキーとか、ありますか?」

店「んー…そうだなぁ。」

店長は3本、オススメしてくれた。
大人数で飲むから、
そのなかの2本を買う。
私とナオミはワインが好きだから、
皆は、強い酒が好きだから。

店「ありがと!
また来てね。」

バイクにまたがる私に
そう言って、姿が見えなくなるまで
入り口で手を振ってくれる店長。
つくづくあの人は気がいいな、って
思ってしまう。

もうすっかり暗くなった夜道に
バイクの音が響いた。
ふと、反対側からやってくる一つの光に
私は少しだけ左に寄った。

鼻を掠めたのは―広斗の香水の香り。

それだけでもう、
苦しくなってしまった。





広「A!!!」

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設定タグ:HiGH&LOW , 雨宮兄弟 , 雨宮広斗   
作品ジャンル:タレント
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オレンジ★ジュース - はじめまして!!!!!!私も最初から全部読みました!更新楽しみです頑張ってください(*^_^*) (2017年3月20日 1時) (レス) id: 2ecf1ffa5e (このIDを非表示/違反報告)
玄ちゃん - はじめまして(*^^*) 最初から全部読みました! ここまで書いたのにここで終わりにするのはもったいないと思います!! 更新が再開されることを楽しみに待ってますo(*⌒―⌒*)o (2017年1月22日 14時) (レス) id: f00d27de65 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レイにゃん | 作成日時:2016年9月15日 6時

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