HiGH&LOW ヴィスコンティ -five- (ページ8)

今日:2 hit、昨日:7 hit、合計:45,364 hit

6 ページ8

ヤ｢やっはAのめひうめーな｡｣

｢ちょっと､口に入れながらしゃべらない｡
汚いでしょうが｡｣

カウンターで皆で
ちょっとずつ飲みながらの夕飯｡
コブラも徐々に酔いが回ってきて
あのめんどくさい猪木の絡みへと
カウントダウン真っ最中｡

コ｢おい､テッツ…｡｣

テ｢だあああっ!!
なんで俺なんすか…!!｣

コブラがテッツの名前を呼んだ瞬間
周りのみんなは哀れみの視線を向けつつ
ススススス…とコブラから距離をとる｡
私はカウンター越しで二人の間で腕組み｡
めんどくさいことは嫌いだけど
コブラのこのキャラは
ガチでめんどくさいから
いざという時は
助けてあげられるように｡

コ｢お前､猪木さんって言ったらなんだ｡｣

テ｢えー…あー…｡
1.2.3.だ…｣

ﾊﾟﾁﾝ

どうやらはずれだったみたい｡
めんどくさげに答えるテッツの頬に
コブラが軽くビンタする｡

クスクスと笑うダン､ヤマト｡
バッ､と振り返ったコブラの
マジな視線で息を凝らす｡

ナ｢こうなったコブラは
めんどくせーぞぉ…？｣

｢わかってる｡
だから私がここにいんだよ｡｣

ナオミが耳元でつぶやいて
二人みたいにクスクスと笑った｡
私も苦笑いで答えるけど…｡

コブラは酔ってでも女に手は出さない｡
ただし､相手が道を外れたときには
手加減してビンタするけど｡
…私も例外ではないらしく､いつも
私が止めにはいると
んだよ､と言って
ちょっぴり拗ねてしまう｡

テ｢…気合いだ…｣

ﾊﾟﾁﾝ

テッツ､人が違うよ…｡

チラッ､と私を見て
テッツが助けを求めてくるから
とんとん､とコブラの肩をたたいて
視線だけじゃなくて体ごと
こっちに向けさせる｡

｢コブラ､もうやめてやんなよ｡
テッツもいっぱいいっぱいだろーがよ｡｣

コ｢あ？…チッ｣

"コブラめんどくさい"雰囲気を察したのか
周りを見渡したあと､
自分の過ちに気がついたかのように
カウンターへ向き直る｡
そのままばつが悪そうに
グラスを傾けるもんだから
かわいそうになって
余った南蛮漬けを足してやった｡

ダ｢なぁ､ナオミの兄貴って
いつもおらんねんな｡
なんでなん？｣

そういえばそうだ｡
このお店は本来ナオミのお兄さんが
経営しているらしいけど
一度もその姿を目にしたことはない｡

ナ｢あー…､なんか最近いろいろと
忙しいらしくてね｡｣

｢会ってみたいな｣

ナ｢んー…､今はいろいろと荒れてるから､
向こうの都合が一段落したら
会いに行こっか｡｣

…向こう？