検索窓
今日:6 hit、昨日:7 hit、合計:45,368 hit

9 ページ12

カランカラン…
と、ITOKANのドアベルが鳴った。
その日、いつも通り仕事をしていた私は
入ってきた客に目を向けた。

「いらっしゃ…あ?」

一瞬、テーブルに隠れて
わからないくらいの低身長。
私はそれで今来た客が
普通ではないことがわかった。
それでいて、足音の感覚も狭い。
これは―子供か?

?「おねーさん。ここ、どこ?」

カウンターから見えないほどの
小さなお客さんに、
わざわざ出て行って彼の隣に
しゃがんで言った。

「ここは、山王街。
このお店はITOKAN。」

?「さんのーがい?いとかん?」

「…君、名前は?」

龍「僕は龍。」

「そっか、龍。いくつ?」

龍「んと、8歳。」

恐らく、小学1、2年生あたりだろう。
あどけない言葉遣いは
年齢相応だといえる。
まだこの街の危険を知らずに
ほほえむ少年に、
私は幼い頃の自分を重ねた。

ぼろぼろで所々すりむいている。
来ているものは破れている箇所があり、
貧相な家庭だと言うことが
見て取れた。
無名街…だろうか。

「ケガ、大丈夫?」

龍「うんっ、このくらいなら平気!」

「よかった。
あ、そうだ、私の名前。
私は、雨宮Aっていうの。
よろしくね。」

龍「うんっ!」

握手を求めて差し出したその手は
紅葉のような小さな小さな手のひらが
握り替えしてくれた。
ところで、何故無名街から
この山王街へと…
しかもこんな幼い子ひとりで
来たのだろうか?

ナ「おーい、Aー。
何一人で話してんだよ。」

カウンター奥の通路から
ナオミがやってくる。

ナ「…って、子供?」

龍「龍です、8歳です、
よろしくお願いします。」

ナオミも服装などからして
無名街の住人だと気づいたみたいだ。


ナ「無名街からきたのか?」

龍「むめー、がい…。
あ、そうです!むめーがい!!」

「何でわざわざ山王街に?」

龍「あの、えっと…」



?「おーい、龍ーちゃあん。」



再び開かれるITOKANのドア。
そこには全身黒づくめの
スーツ姿の男が立っていた。
間違いない、九龍グループだ。

?「そいつの両親、借金抱えて
蒸発したんだよね。
だから、返してもらわねーと。」

「…子供に、何させるつもりだ。」

?「てめーにゃ関係ねぇよ。
次こいつと会うときゃ
屍になってっから。」

ぴきっ、と眉間に力がこもる。
ナオミと龍を私の後ろにおいやって
私は男と対峙した。

?「お、お姉さんやる気?(笑)」

「うるせぇ。
甘く見てっと狩るぞ。」

10→←8



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
314人がお気に入り
設定タグ:HiGH&LOW , 雨宮兄弟 , 雨宮広斗   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- 工さんのファンなのでそんな言い方されるのは気分良くないです (2018年9月14日 12時) (レス) id: d2a87cea11 (このIDを非表示/違反報告)
岩坂@今坂あゆ@登坂の娘(プロフ) - 雨宮 零さん» りょーかいでーす♪ (2016年8月8日 7時) (レス) id: 2e5c6ff1dd (このIDを非表示/違反報告)
みすず(プロフ) - 雨宮 零さん» まってます! (2016年8月7日 23時) (レス) id: 9e31d95d7c (このIDを非表示/違反報告)
雨宮 零(プロフ) - みすずさん» 了解いたしました!ではメッセージを送らせていただきますね! (2016年8月7日 23時) (携帯から) (レス) id: 093814bcbe (このIDを非表示/違反報告)
雨宮 零(プロフ) - 岩坂@今坂あゆ@登坂の娘さん» 了解いたしました!ではメッセージを送らせていただきますね! (2016年8月7日 23時) (携帯から) (レス) id: 093814bcbe (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:レイにゃん | 作成日時:2016年7月29日 6時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。