HiGH&LOW ヴィスコンティ-four-

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少しだけキュンとさせられて
何だか腹が立った｡
ヤマトの癖しやがって…

｢ばーか｡｣

ヤ｢んはよ､いいわあんえー｡
(んだよ､意味わかんねぇ)｣

ごめんヤマト｡
理不尽だけど､あんたが悪い｡
でも､みんなが夢中になって
食べてくれるからこっちまでおなか
減ってきちゃって｡

コ｢悪ぃ､遅れた｣

額にちょっとだけ汗を滲ませたコブラが
来たから､コブラの分のオムライスを
作るついでに､私も拝借｡
コブラの席の前にコトリ､とお皿をおく｡
私の前にもミニサイズのオムライス｡
二人同時に手を合わせて､
｢いただきます｣の声まで揃えて｡
がっつくコブラをちょっと眺めてから
私もオムライスに手を着けた｡

コ｢んめぇ､上手くなったな｡｣

｢ありがと｡でもちょっと失敗した｡
もう少し卵トロトロにすれば
よかったかなぁ｡
あんた達に出した奴の方が､若干だけど
おいしいかも(笑)｣

コブラより前に来た
ヤマト､ダン､テッツは野太い声で
うぇーい!!とハイタッチをした｡

こいつらの幸せそうな顔見てると､
本当に和む｡
ヤマトとコブラ…
本当は敵対してるはずなのに｡
私を受け入れてくれてる｡
今もどこかを走っているであろう雅貴｡
そして病室で眠っている広斗｡
二人の顔が思い浮かぶたびに､
私はここにいていいのかな､なんて
思ってしまう｡

ヤ｢……A？｣

目の前のヤマトが心配そうに声をかけた｡

｢あ､ううん｡大丈夫｡｣

ヤ｢そっか｡
なんかあったら言えよ｡｣

言えない｡
コブラとヤマトに言ったりしたら､
二人がまた背負ってしまうことになる｡
せっかく忘れかけてたのに…｡

だから､今は黙っていよう｡
いつか雨宮とムゲンがいがみ合うような
関係ではなくなったら｡

笑い話として､とっておこう｡

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