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私は広斗をぎゅっと抱きしめた。
自然と抱きしめる力は強くなっていって。
まるで泣きじゃくる子供をあやすように
優しく笑いかける。
私の身長は広斗よりかは小さくて
包み込んであげることはできないけれど、
せめて君の心が癒えますように。

広「んなもん、いらねぇよ。
俺らは俺らのやり方で生きる。」

「…でも、私は知ってるよ。
広斗の優しさも、温もりも。
だから、気づいてないなら私が
気づかせてあげる。
人を愛することに、
それらは必須だって事。」

広斗の手が私の背中に回った。
なぜかその仕草は
ひどく儚げで、寂しそうだった。
ありがとう、って小さく呟いてから
広斗は私を離した。

季節は夏なのにずずっと鼻をすする広斗。
…泣いているのだろうか。
でも、声はかけられなかった。
壊れてしまう気がしたから。
―もっと甘えていいんだよ。
きっと、二人で
助け合って生きてきたから。
甘えるのが、苦手なんだ。
…いや。
甘え方を知らないのかもしれない。
苦悩は止まらないけれど、いつか
広斗の最高の笑顔が見れることを夢見て。

広「なぁ。」

「ん?」

広「あいつらに礼、言わなきゃな」

「…!!」

思わず顔がほころんだ。
そっか、ちょっとはコブラ達のこと
意識してくれてるんだね。
もしかしたら、これも
広斗の最高の笑顔への
小さな一歩なのかもしれない。
少しは影響を与えられているのかな。
そう思うと、威勢良く返事をせずには
いられなくなった。

「…うんっ」

まだコブラ達をよく知らぬ広斗。
これを気に、お互いに散らしている火花が
収まるといいな、なんて。
このときの私は、
そんな甘い考えだったんだ。

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設定タグ:HiGH&LOW , 雨宮兄弟 , 雨宮広斗   
作品ジャンル:タレント
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雨宮 零(プロフ) - チャンスさん» ありがとうございます!楽しみにしていただけて、とても光栄です。 (2016年6月25日 0時) (携帯から) (レス) id: 093814bcbe (このIDを非表示/違反報告)
チャンス - めちゃめちゃ気になります! 更新待っています!!!! 楽しみ〜!! (2016年6月24日 21時) (レス) id: 3a1af415ef (このIDを非表示/違反報告)
雨宮 零(プロフ) - 李音さん» ありがとうございます!!私自身特に力を入れて書いている作品ですので、そう言っていただけるととても嬉しいです」 (2016年6月21日 23時) (携帯から) (レス) id: 093814bcbe (このIDを非表示/違反報告)
李音 - とても続きが楽しみです^_^ (2016年6月21日 11時) (レス) id: ab1cbbe938 (このIDを非表示/違反報告)
REI*CAT√3JSB_Omi(プロフ) - yuukaさん» ありがとうございます!!律儀なコメント、大変ありがたいです。期待に応えられるよう、精一杯頑張ります!! (2016年5月3日 23時) (携帯から) (レス) id: 093814bcbe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レイにゃん | 作成日時:2016年4月27日 1時

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