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バイクを走らせながら、私は涙目だった。
やっと解放された安堵と、広斗への思いが
今になって溢れ出した。
それでもまだ、
もう一度広斗の顔を見るまで
現実だって受け入れられなくて。
風でたった一滴の涙だけが
流れていった。

「平気、広斗?」

広「おう、だいぶ…楽になったよ」

そういえば広斗の浅かった呼吸が
徐々に平常を取り戻している。
私の涙も乾いた頃、
私達の家へとたどり着いた。
なんだかしばらく
帰っていない訳でもないのに
懐かしい感じがして―
隣で感慨深そうに
家を見つめる広斗に抱きついて
涙を流しつつ言った。





「おかえり、広斗」





「おう、心配させた」





久しぶりの泣き顔を見られたくなくて、
広斗のジャケットをぎゅっとつかんで
顔をうずめた。
ヘルメットと同じスパイシーな香りが
私を包み込んだ。
広斗の大きな手が私の頭をぽん、と叩く。

広「独りにして、ごめんな。
辛かっただろ、苦しかっただろ。」

「うん、頑張ったの…っ。
友達もできて、っ、寂しくなかったよっ…」

広「嘘つくなよ、じゃあなんで今お前
泣いてんだよ」

「ないて、ないよ…っ、
気づくな…ばかっ」

見えないけれど、
広斗がふっと笑った気がした。
いつまでも泣いてはいられない、と
下唇をかみしめて。
おかえり、ってもう一度
広斗を抱き締めようとした。
だけど―

広「…っ」

私の顎をくいっ、と持ち上げて
キスをする広斗。
じんわりと広がった感触が
私のすべてを支配した。

されるがまま、体を預けて。
今だけは再び会えた喜びに浸っていたいの。

36→←レイにゃんより



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設定タグ:HiGH&LOW , 雨宮兄弟 , 雨宮広斗   
作品ジャンル:タレント
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雨宮 零(プロフ) - チャンスさん» ありがとうございます!楽しみにしていただけて、とても光栄です。 (2016年6月25日 0時) (携帯から) (レス) id: 093814bcbe (このIDを非表示/違反報告)
チャンス - めちゃめちゃ気になります! 更新待っています!!!! 楽しみ〜!! (2016年6月24日 21時) (レス) id: 3a1af415ef (このIDを非表示/違反報告)
雨宮 零(プロフ) - 李音さん» ありがとうございます!!私自身特に力を入れて書いている作品ですので、そう言っていただけるととても嬉しいです」 (2016年6月21日 23時) (携帯から) (レス) id: 093814bcbe (このIDを非表示/違反報告)
李音 - とても続きが楽しみです^_^ (2016年6月21日 11時) (レス) id: ab1cbbe938 (このIDを非表示/違反報告)
REI*CAT√3JSB_Omi(プロフ) - yuukaさん» ありがとうございます!!律儀なコメント、大変ありがたいです。期待に応えられるよう、精一杯頑張ります!! (2016年5月3日 23時) (携帯から) (レス) id: 093814bcbe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レイにゃん | 作成日時:2016年4月27日 1時

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