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「え…」
愕然とした。
私が眠っていた一週間の間に、広斗は
目を覚ましたのだという。
-「確か、昨日でしたかね…。
掠れた声で雨宮さんのお名前を
呼んでらっしゃいました。
メモをそばにおいておいたんですけど、
それも困難なほどに
うっすら目覚められました。」
最悪だ。
入れ違いのタイミングで広斗は再び
眠りについたらしい。
私は安静に、といわれたにも関わらず
看護師さんの身体に寄りかかって
広斗の病室へと向かった。
傷が若干痛むが、今はそんなこと
どうでもよかった。
ただ、逢いたくて逢いたくて―
必死に重い身体を引きずった。
看護師さんは私達の関係を知っていた。
だから、止めることはしなかった。
ひたすらに私の体重を支え続けてくれた。
67号室―雨宮 広斗 様
「広斗…っ!!!」
傷が痛い。
下腹部の包帯に血がにじむ。
ベッドの傍らに崩れ落ちて、
広斗の美しいその頬を両手で包む。
優しいキスをして。
「…んっ…」
ああ、逢いたい。
もう一度あなたに名を呼ばれたい。
そのすこし掠れたいつもの声で―
呼んで頂戴、A―と。
そしてできれば
その時あなたが笑顔でありますように。
苦しみが、嗚咽となって漏れ出した。
「っ…うあああっ…!!
ひ、ろとぉ…っ…!」
拝啓 神様へ
あなたがもしいるというならば
この悲しみを拭ってください。
想い 焦がれて 泣いている
私の思いを届けてください。
どうか 願いが――――
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雨宮 零(プロフ) - チャンスさん» ありがとうございます!楽しみにしていただけて、とても光栄です。 (2016年6月25日 0時) (携帯から) (レス) id: 093814bcbe (このIDを非表示/違反報告)
チャンス - めちゃめちゃ気になります! 更新待っています!!!! 楽しみ〜!! (2016年6月24日 21時) (レス) id: 3a1af415ef (このIDを非表示/違反報告)
雨宮 零(プロフ) - 李音さん» ありがとうございます!!私自身特に力を入れて書いている作品ですので、そう言っていただけるととても嬉しいです」 (2016年6月21日 23時) (携帯から) (レス) id: 093814bcbe (このIDを非表示/違反報告)
李音 - とても続きが楽しみです^_^ (2016年6月21日 11時) (レス) id: ab1cbbe938 (このIDを非表示/違反報告)
REI*CAT√3JSB_Omi(プロフ) - yuukaさん» ありがとうございます!!律儀なコメント、大変ありがたいです。期待に応えられるよう、精一杯頑張ります!! (2016年5月3日 23時) (携帯から) (レス) id: 093814bcbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイにゃん | 作成日時:2016年4月27日 1時