HiGH&LOWヴィスコンティ-two-

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急に視界が黒に染まり､
まるで片足を失った人形のように
ふらふらとさまよう右京｡
その頭を鷲掴みにし､勢いをつけた体で
一回転しながらコンクリートに叩きつけた｡
頭を強かに打った右京はしばらくの間
動けないだろう｡
その隙に左京を相手にしている
広斗を見ると､今ちょうどカウンターが
左京の頬を捉えたところだった｡
動けない右京はいまだに
立ち上がろうとしては崩れ落ちを
繰り返しているようだ｡
それを眺めていると､ようやく頭から血を
流しながら立ち上がった｡
こちらを睨みつけ､荒い息づかいで
理性を失っている｡

右｢オルァァァァアアアア!!!!!｣

獰猛な雄叫びをあげながら
拳の嵐が私を襲う｡
最初の二打を避け､三打目で
拳を受け止めた｡
しっかりと掴んで放さないでいると
反対の手が私の顔めがけて飛んできた｡
それも予測済みだったので､同じように
掴んで放さない｡

｢…いくよ？｣

舐めたようにそう言い残して
掴んだ両方の拳を軸に､横向きになって
逆上がりの容量で足を振り上げた｡
右京の腕がねじれ､
筋繊維が切れる音がする｡
同時につま先で右京の頬を蹴り飛ばした｡
安易に吹っ飛んだ右京は､痛む腕を
一生懸命にかばっていた｡

右｢おい､左京!!!
こいつガキの癖して立派な"雨宮"だ!!!!
これ以上やったら
日向に大目玉喰らっちまう!!!!!｣

左｢俺はまだやれんぞ!!!!｣

右｢そういう問題じゃねぇんだよ!!!!
一旦退け!!!!!｣

チッと刃のような鋭さの舌打ちを残し
右京たちは去っていった｡
何故だろうか｡

酷く気分が悪い｡

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