HiGH&LOWヴィスコンティ-two-

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左｢…!!!!!
ぐあぁぁあああああっ!!!!｣

はずれた腕を抑えながらもがき苦しむ左京｡
私はそれを冷たい目で見下ろしていた｡
生まれてこの方喧嘩しか知らない私は
その容易さに嫌悪を抱いた｡

すると､私の隙をついたつもりなのか
右京の拳が横目に見えた｡
私はそれをわざと受けようと
無抵抗で立ち尽くす｡

ﾊﾟﾝｯ

私の顔に当たるはずだったその拳は､
するりと割り込んできた広斗によって
止められていた｡

広｢…その顔に
傷つけようとしてんじゃねぇよ｡｣

私を振り返ってぎろりと睨む広斗｡
それに薄ら笑いで返すと､彼は右京の連打を
呆れながらいなした｡
私も立ち上がった左京を相手に
拳をよけていく｡
片腕が外れた状態で攻撃してくる
左京を避けるのは､塵を吹き飛ばすのと
同じくらい簡単だった｡

右｢左京!!!!!
グダってんじゃねぇ!!!!｣

広｢当たり前だろ｡
俺と同じ雨宮だぞ？｣

よけてばかりでは興ざめしてしまうので
勢いがついた左京の頬に
衝突させるような形で拳を入れた｡
さらにはのけぞったせいで
上がった足を引っ掛けて､
一回転 転ばせてやる｡
うつ伏せに倒れた衝撃で左京の顔は
ガチガチに固められたらコンクリートへと
叩きつけられた｡

広｢…つまんねぇ｣

やはり広斗も思っていることは同じのようで
右京のみぞおちに拳を入れながら
悠々と言ってみせた｡

｢…っ｣

他のことに気が行っていたせいで
うつ伏せの左京に引きずりおろされる｡
すばやく立ち上がった左京は
ゲスな笑いを浮かべて見下ろしていた｡
だけど｡
明らかに隙を見せすぎた｡
跳ね起きるのと同時に左京に
肩車されるような形で飛び乗って
目を隠してやる｡

｢広斗!｣

するとそれを待っていたかのように
スタンバイしていた広斗が
右京を引き連れて近づいてきた｡
その意図は―









左京の肩から飛び移り
右京の顔に腹が来るように目を隠す｡
取り残されて視界が回復した左京は
束の間､広斗の拳をくらっていた｡

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