HiGH&LOWヴィスコンティ-two-

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それから私はある決意をした｡

それは"広斗のいない雨宮兄弟を
一人で背負う"決意｡
広斗がいなくたって私は一人で戦える｡

貴男の男らしい背中が語った生き様で｡
貴男の優しさで節くれだった拳で｡
貴男の微笑みが教えてくれた命の尊さで｡
貴男から学んだ全てで､私は雨宮の名を
守り抜いてみせるよ｡






今日もドアを乱暴に叩く音が響く｡
私はそれに臆することなく玄関へと向かう｡
大きな音がしただけで身を堅くしていた
昔とは訳が違うんだ｡

?｢おい､広斗出せや｡｣

汚らしいお前らとは背負ってるもんの
重さが違いすぎるんだよ｡

｢今､広斗なら眠ってる｡｣

?｢叩き起こせ｡｣

｢それは無茶なお願いだね？
広斗の眠りを邪魔するなら
誰であろうと私が相手だよ｡｣

?｢何言ってやがる｡｣

鼻で嘲笑する｡
やっぱりこいつも同類か｡
皆同じ反応して私を
居ないものとするんだよなぁ｡

?｢テメェみてぇなガキのオンナに
何ができるってんだ―｣

まぁ､そこをボードごとひっくり返すのも
ボードゲームの面白さだろ？

男は私を無視して玄関の
扉の枠に手をかける｡
力で押し切り強行突破するつもりらしい｡
その手首を思いっきり力と憎しみをこめて
掴んでやる｡

一瞬男の顔が固まった｡
きょとんとしたようすでいるものだから
隙だらけの手首に更に力を込めていく｡
徐々にミシ､ミシと不快な音を立てて
骨が軋んでいった｡

?｢お､おい―｣

またも男が完全に言い切る前に｡
羆のような太さの手首は鈍い音を立てて…｡


ゴキッ


折れた｡

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