今宵、パーティーで踊りましょう【wrwrd】 (ページ16)

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16曲目ページ16

隣のシャオロンが立ち上がる
立ち上がったエミさんの手にはもう分厚い本は無くなっていた

｢満足したか、お前ら｣

｢おう、満足した｣

シャオロンの問いに砂浜では歩き辛そうなのに全くその素振りを見せないロボロくんが答える

じゃ、Aスイッチ押してきてと言われてそそくさと押しに行く
みんな私についてくることはないのに私の方を見てた
なんだか居心地が悪い

少しの緊張を混ぜてスイッチに手をかける
重めのボタンに体重をかけるとカチッと気持ちのいい音がして今までの景色が全部消えた

『......なにこれ』

さっきまで美しい海だった場所は灰色のただの何もない部屋へ姿を変えた
あまりに非科学的で、それでも心惹かれる何かがある

入ってきた扉の正面にはこれまた別の扉がある

｢Aちゃーん、はよ戻っておいでー｣

『あ、はい！今行きます！』

彼らは私のことを待っている
置いていったっていいのに。ほんとに優しい人達だ
人...じゃないのかもしれないけど

木製の扉にエミさんが手をかける
ゆっくり回されたドアノブは少しだけ音を立てる

7部屋目。

柔らかい光が射し込んで、その光に包まれた

7部屋目からは甘い香りがした
部屋に並ぶショーケースの中には可愛らしいマカロンやショートケーキが並んでいる

アンバランスに壁際には本が多く置いてあって珈琲や紅茶を作るための道具までおいてある

まとまりは感じないのに綺麗な和音になっているような感覚
変な声を上げて甘い匂いにコネシマは顔を顰めた