それぞれの言い分5 ページ28
ひとらんらんside
｢って事があってん｣
意外と壮絶だった
二人ともいつもと考えられないくらい感情が高ぶってたみたいだ
そこから発展した大袈裟な事実にお互いが顔をしかめる事になる
感情が高ぶってる以上まともな考えが浮かばなくなって言葉選びの前にキツい言葉が飛び出したってわけか
｢あのさ、マンちゃん
Aちゃんが俺達と戦う事を誇りに思ってその為に沢山努力してるのは知ってるよな？｣
｢...知っとる...｣
拗ねた子どもみたいだ
たまにはこんなマンちゃんも面白くて悪くない
そう、1番近くで見てきたマンちゃんがその事実を1番知ってるはずなんだ
｢一応聞くけど、なんであんな事言った？｣
足を組んで背もたれに体を預ける
それと逆でマンちゃんは小さくなっていく
いつもこんな感覚味わってたのか、いいなこれ
｢俺は...Aが、好きや｣
｢知ってる。知らない人はいない｣
｢茶化さんでや...
そんで今回、Aが酷い怪我をした
それが、すげぇ怖かった
Aが居なくなってしまいそうで
Aが遠くに行ってしまいそうで｣
そう言ったマンちゃんの瞳は揺れていて
傷をおって、体を引きずりながら戻ってきたAちゃんの事が頭の隅をかすめた
でも、だからこそ言おう
｢だから？｣
俺のトゲのある言葉に体をピクリと固めて、俯いていた頭をゆっくりと上げた
視線と視線が交わる
俺はマンちゃんみたいに笑えないから怖い顔をしてるんだろう
｢常に死と隣り合わせなのは全員一緒
それは怖い事だと思う
けどさ、Aちゃんは今生きてる
居なくなってない
今までずっと一緒に戦ってきた
それを、関係が変わったからって変えるのはどうかと思う
落ち着いて、ゆっくり話し合わないと｣
目が開かれて、それから細められた
穏やかに、細まる目はいつも通りのマンちゃんだった
俺の向かいに置かれたカップに白い手が伸ばされる
いつもとは似つかなくグビッとそれを飲み干して勢いよく置いた
｢豪快だね｣
｢っ......ふぅ......
ありがと、ひとらん。俺行ってくるわ｣
｢おう、行ってらっしゃい｣
立ち上がったマンちゃんはニカッと歯を見せて笑った
扉が閉まる
｢ここマンちゃんの部屋じゃん｣
静かな部屋に俺の声は惨めに響いた
カップと皿をシンクに置いて俺も部屋を出た
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みるる - 面白かったです！ (2022年6月30日 22時) (
レス) @page30 id: 17fa19fa87 (このIDを非表示/違反報告)
美奈花(プロフ) - 陽夏さん» そう言っていただきとても嬉しいです！こちらこそ読んでいただきありがとうございました (2018年4月6日 23時) (レス) id: bf98cceb63 (このIDを非表示/違反報告)
陽夏 - 一気読みさせていただきました！！！泣いてるマンちゃんを見て読んでる私も一緒に泣いてました…笑 凄くい作品でした。ありがとうございました。 (2018年4月6日 6時) (レス) id: 50c7488d12 (このIDを非表示/違反報告)
美奈花(プロフ) - アルラカルラさん» ありがとう！リクエストも待っとるなw (2018年2月4日 12時) (レス) id: bf98cceb63 (このIDを非表示/違反報告)
アルラカルラ(プロフ) - 完結お疲れ様〜！！めっちゃ面白かったよ〜！リクエストはTwitterですると思う！とりま完結の余韻にわいは浸ってるわw (2018年2月4日 11時) (レス) id: 0913d50311 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美奈花 | 作成日時：2017年12月25日 13時
