長い悪夢の救世主【wrwrd】 (ページ10)

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10夜目ページ10

男の人の手が私の目元に伸びてくる

やだｯ....!!

体が強ばった

｢あぁ、ごめんな？驚かせてしもうて
僕鬱って言うんや。みんなからは大先生とか呼ばれとるから好きに呼んで？よろしゅうな｣

聞き慣れないイントネーションで鬱と名乗った男の人が話す
柔らかい笑顔だ

涙を、拭おうとしてくれてたみたいだ
悪い事をしてしまった

寝ている体制じゃ失礼だから上半身を起こす

｢え、もう大丈夫なん？痛くない？キツくない？｣

上半身を起こすと鬱さんはオロオロとしだした
なんでこの人はこんなに私の心配をしているのだろう？

演技？

はたまた

本当に私を心配してくれている？

｢大先生、一方的に話しかけんな｣

｢焦りすぎやろ、一つずつ解決させていけばええやろ？｣

後ろで赤いマフラーを巻いた人が腕を組んで吐き捨てる
隣に居た人はゆっくりとこっちに近づいてきた

私の近くに来て視線をあわせてもらう

｢はじめまして。俺、しんぺい神って言います。ここで医療関係の事してるんよ
怖かったらまだ喋らなくてええから君の体調を教えて欲しいんや｣

そう言っていいかな？と優しく聞いてくれる

私は頷いた

｢ありがとう

頭は痛くない？
お腹は痛くない？
関節は？
腕とか足とかが動かしずらいとか重たいとかない？｣

しんぺい神さんはゆっくり丁寧に質問を重ねていった
一つずつに首を縦に振る

大丈夫、かな

いや、でももう少し様子を見てみよう

｢じゃあこれ最後ね？

体の傷は痛くない？｣

そう言われた瞬間お腹の傷がビリッと痛む

『ぁｯ......!!』

、痛い

、痛い

言葉に魔法でも篭ってるのかな

やっぱりこの人達は＿＿＿