長い悪夢の救世主【wrwrd】 (ページ41)

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41夜目ページ41

ut side

雨が降っていた
いつか前に雨の日は嫌いだとAちゃんが言っとった

夜も遅くなってきたけど会いに行ってもええかな
寝てたらそれでいい
寝てなかったら少しだけお話して部屋に戻ろう

ふと視線の先には考えとったAちゃんが映る
どうやら僕には気づいてないみたいやから驚かしてみても面白そうやな

こっそりとAちゃんに近づいていく
廊下は開けていて隠れる場所なんかないけど開けっ放しだった窓をじっと見ているから問題ない

Aちゃんが窓に近づいた

手を伸ばす

それと同時に窓から男が入り込んできた

『ぇ、ぁ...』

｢あ、みっけ｣

遠い所からその声が、
まるで耳元で話されているかのように、
鮮明に聞こえた

｢ｯ！観光客ｯ！｣

走り出しながらインカムを入れる

多分この声は届いとるはず

すぐにロボロからの伝達があるはずや
それまで、Aちゃんを守らんと

踵を返して走り出したAちゃんに投げ武器のナイフを投げる観光客
俺が走っていけば気配に気づいてかくるりと振り返った

｢あ、鬱｣

楽しそうにその男は告げる
ロボロやゾムが作ったセキュリティを突破してくる男や
俺なんかが太刀打ち出来るんやろうか

｢幹部最弱｣

さっきよりも口角を上げて楽しそうに言う

｢それがなんや。アイツらがキチガイなだけやで｣

愛用の拳銃を取り出す
ニヤッと笑った男が突っ込んでくる

くっそ俺接近戦苦手やのに...!!

撃っても素早い男にはかすることしかしない
別に持ち歩いてる護身用の短剣を取り出すと同時にサバイバルナイフの重みがかかった

お互い弾かれて後ろに下がる
男には小さな擦り傷程度しか傷は与えられとらん
俺は相手よりも少しだけ多いか

｢やっぱ弱いじゃん｣

｢まだ本気やないで？｣

金属が交わり不快な音をたてる

突き出す
避けられる
振る
手応えなし
後ろに下がる
受け止める
弾く
突っ込む
避ける
切れる
振り下ろす
切る
避ける
殴る
あたる
殴られる
視界が揺れる
受け止める
弾く
突かれる
足を払われる
背を打ち付ける

転がる

立ち上がる

振り下ろす

手応えあり
殴られる
切られる
切る

｢大先生！！｣

ゾムの声が聞こえた