長い悪夢の救世主【wrwrd】 (ページ19)

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19夜目ページ19

デカい椅子に座るグルッペンの隣にはトントン
呼び出された内容は大体分かっとるから萎縮する必要もない

｢しんぺい神、Aの様子はどうだ｣

やっぱりAちゃんの事だ
現状を口に出す

｢特に異常はないと思うよ

今は泣き疲れて寝てる｣

さっき大先生に抱き着きながら寝てた

大先生の幸せそうな顔を記憶から話す訳にはいかない

｢泣き疲れた？なんで泣いたん｣

俺の言葉を聞いてトントンが顔を歪める
誰かが泣かせたと思っとるんやろな

｢今までまともにご飯食べさせられてなかったみたいで、半分くらいしか飯が食べれんかったんよ
それで罪悪感と多分何かされるんじゃないかっていう不安やと思う
聞いてないからわからんけど

少なくともAちゃんはオムライス気に入っとったな｣

そう言えばトントンの口が少しだけ上がる
隠しきれとらんなぁ...

けど

たった２文字で二人の顔が深刻なものへと変わる

｢前も言った通り傷が大分深い

見てもらったら分かると思うけど至る所に傷がある
治療で大分良くなった所もあるけど記憶に痛みが植え付けられとるみたいやな

少しでもあの国におった時のこと思い出したら傷が痛むっぽい

初めの一回...はトントンも見とったから分かると思うけど何処にも異常がないんや

トラウマか何かが呼ぶ痛み

直接的に思い出す様な事を言ったら今は激しい痛みに襲われる。間接的でも少し痛むみたいやな
だからみんなにも伝えて欲しい｣

｢分かった、そこは任せとけ｣

｢ありがとう

それと、少しの警戒は見られるけど信頼はしてくれとるよ
信頼してない時は完全に張っとった。大先生のお手柄やで

知識はある程度ある、けど小学生低学年より上くらいかな
精神面は成長してるみたいやからエーミールに勉強を教えさせたって欲しい

不安が見られるんやったら大先生を少しの間でも付けてあげて｣

現状で分かってることを全て口にして終わったことを示せばグルッペンは椅子に深く腰掛けた

考える素振りを見せた

いやぁ、様になるねぇ

その後は少し雑談をして医務室へ戻った