Chapter 01... ページ3
鶏が先か卵が先か。
片方が産まれなければ片方は存在し得ないとい世の中の真理をついた言葉。
未だ解決されていない疑問でもある。
それに倣って疑問を提示するならば。
Aが曲解した受け止め方をするのは元来の性格が先なのか、はたまたクラスの二度手間男子共の行動が先なのか。
こちらに関しては、断言できる。
"どちらのせいでもある"ということだ。
何が厄介なのかと言えば、謙遜しているわけでも否定して欲しくて言っているわけでもない。
心の底から純粋に、疑う余地もなく、自分のことではないと確信しているのだ。
「 ちげーよ！だったらオレ直接言いに行くだろ。 」
「 ……確かにそっか。じゃあお姉ちゃんには私から伝えとくね。ほか誰来るの？ 」
「 はあ！？だから！なんでそう…… 」
「 あっ、ふ…藤原っ！」
顔を若干紅くして俯きがちにAに話しかける男が一人。
何となく次の言葉が予想できた彼女は冷静な表情。
一方で会話を遮られたからか、また来たという意なのか定かでは無いが、げっ！と出水は顔を顰めた。
「 どした？ 」
「 あの、さ！ 由良さんとの…ちょっと取り持って欲しいんだけど、 」
「 いーよ。 」
「 ほんとか！？じゃ、今週末空いてるか聞いてみてくれ！ 」
「 おっけー 」
ぶんぶんと勢いよく手を振りながら去っていく他クラスの男。
断ればいいのにも、AもAで二つ返事で了承する。
そういうとこだよ。
なんとなくムカついて、軽く頭を小突いた。
「 いった！ …なに！ 」
「 別に。なんでもねーよ。 」
「 何もないはずないでしょ。 あ、今日お姉ちゃん夜予定あるから私たちは遅くまで遊べないからね。 」
「 ……へーへー 」
気付けば複数人で遊ぶことになっている。
不本意ではあるが、このまま強引に言うのは気が引けた。
だから彼女の思考回路は否定せず、また次回のチャンスにかけた。
「 出水、もうチャイム鳴るよ？ 」
「 …は〜〜〜〜ったく… 」
タイミングは味方しない。
言いたいことが喉まで出かかったが、寸でのところでため息として輩出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 316人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：- | 作成日時：2023年5月10日 22時
