Chapter 17... ページ19
翌日。
ことの次第を由良に掻い摘んで説明すると、笑顔で告白した男が誰なのか追求してきた。
普通に怖すぎる。
とりあえず、告白を断ったのは由良の本意であるらしい。
「 Aに断らせちゃって悪いなぁ… 」
「 本人からは聞いてねーの？ 」
「 軽くは聞いたよ。"お姉ちゃんの返事を勝手にしちゃってごめんね"って。 」
「 は？ごめんって… 」
「 悪いのは勘違いしたあっち。それに私はずっと告白だけは断り続けてってAにお願いしてあるの。"考えさせて"だと気があると思われちゃうから、今回はやむを得ずに断ってくれたんじゃないかな。」
「 ……仲を取り持つのは、 」
「 それは私に回してくれて大丈夫って言ってある。ただ私に直接約束を取り付けてくれる人しか受け付けないけどねっ？ 」
( こういうやつだった…… )
見た目や雰囲気と相反して男気溢れる。
由良からAへはそもそも伝言自体伝わらないが、Aから由良へ伝わっても結局は一蹴するということだ。
双子とは言っても、完全に性格が似ている訳では無いんだなとしみじみ思ってしまう。
……こう思うのも何回目だろうか。
すっかり藤原双子に振り回されているなと実感していると、でも、と由良が続いて言った。
「 だけど、お誘いを無下に出来ないからってAは伝えてくれるんだよね。 」
「 出直せとか言って一刀両断するのお前だけってことな。 」
「 ふふ、出水くん。Aに言われたいの？ 」
「 …… 」
セコムのような対応をしているのは由良だけだ。
Aは断られるとは分かっていても、あくまで由良からの言葉で返事を受け取らせようとしているのだ。
そう考えると由良の一刀両断も冷たい気もするが、自分で動きもしない受け身の男と妹が遊びに行くなんて許せない。
どちらも相手を思っての対応。
「 仲良いな。 」
「 Aは世界一可愛いもん。 」
「 へーへー 」
「 あっごめんなさい、出水くんは知ってたね。 」
「 わざとだろ。 」
「 ふふふ。 」
肯定の意。
今となってはすっかり小憎たらしい由良の仕草。
そう思うと、昨日のAの振る舞いは本当に由良そのものであった。
どうしたらそんなに似せられるのだろう。
「 ……出水くん、何してるの？ 」
「 おれもお前の真似できんのかなーって。仕草の真似。 」
「 私そんなゴツくないし、可愛くなくないよ！ 」
「 おい暴言。 」
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作者名：- | 作成日時：2023年5月10日 22時
