はいびーと2(短編集) (ページ32)

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吸血鬼Ⅲ いがさくページ32

ig

運命の人の血は極上らしい

はぁ、血のこと考えてたら喉乾いてきた…

ゴソゴソ

うそ、輸血パックきらしてるんだけど…

まじかよー、

久々に狩りいくか。

俺苦手なんだよなぁ

とりあえず地上へ降り立つ。

そういえば久々にこっちに来たなぁ

って、うわ、すごい甘そうな匂いする。

何だこの甘い匂い。

気になってそっちの方へ向かうと、1人の男がいた。

蒼「へぇ、あのお兄さんからか。」

何とか人通りの少ないところに連れ込めれば飲めるかな？

記憶消せばバレることは無いし。

蒼「…おにーさん、すいません、この辺にスマホ落としちゃったんですけど一緒に探して貰えませんか？」

龍「いいですよ？どんなのですか？」

蒼「緑のカバーしてるんですけど…」

こんなので簡単に狭い路地に入ってくれるの？

もうちょっと疑った方がいいと思うよ。

龍「んー、なさそうですね」

蒼「…ですね…」

がぶ

龍「ぅぁ、へ、なに？」

っ、やば。

うますぎる。なにこれ

初めての感覚。

龍「ちょ、ほんとにぃ、」

あ、やばい吸いすぎた？

龍「はぁはぁはぁ、なんなんですか！？」

蒼「あ、えと、俺、吸血鬼で、お兄さんの血が美味しかったから、契約して欲しいなって…」

うわ、俺しどろもどろすぎるだろ。

龍「え、それマジですか？」

蒼「まじです」

龍「ってかそんな事会ったばかりのやつに言っていいんですか？」

蒼「っ、まぁ拒否されたら記憶消してまた明日も来るだけなんで。」

多分これ以上の味には出会えないから、記憶消しつつ毎日飲みに来るだろう。

龍「それって俺にメリットなくないですか？」

蒼「まぁはい。ないです。」

やっぱりダメかなぁ。

運命の人ってのは俺ら吸血鬼側の問題だもんな

龍「まぁでもいいですよ。」

蒼「っえ？」

龍「知らないところで飲まれるよりはちゃんと把握しときたいんで。」

蒼「ありがとうございます」

龍「敬語やめよ。で、契約ってなんかしないといけないことあるの？」

蒼「あるけど、準備とかもいるからおいおいやっていこ。」

龍「わかった。」

蒼「今更だけど俺の話信じてるの？」

龍「んー、確かに信じられないような話だけどさ、実際に血を吸われてるしね…」

この人やっぱり危機感がうすすぎると思う。

そんな俺たちの始まりの話。

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なみさんリクエストありがとうございます！