HiGH&LOW by S. - ４ -

１４４. ページ20

、



A「…っ、やば」






ああ、やらかした。



目が覚めると辺りは薄暗くて、もうすぐ朝を迎えることを知らせた。



結局またあの頃のようにあいつらのペースに乗せられて飲みすぎてしまったようだ。






A「頭いた…」






完璧に二日酔いだ…






日「おう、起きたのか」


A「寝てたんじゃなかったの」


日「寝てねぇよ」






いびきをかいて寝腐る瑩と、いつの間にか参戦していた達磨一家の仲間たちと寝ていたはずの日向が隣に腰掛けた。



寝ても覚めても眠そうな顔。






日「お前山王の野郎が心配してんじゃねぇのかよ、」


A「ん、ううん。ゆっくりしてこいって」


日「そうか…」






朝日がゆっくりと昇りはじめ、私たちの顔を照らし出す。






日「あいつが死にかけた時、お前どうしてた」


A「……、死にかけてたかな」


日「…」


A「物理的な話じゃなくて、人間として死ぬっていうか。精神面で、ずっとギリギリだった」






自分を責めることしかできなくて。



両親を失ったすぐ後に、ただ一人家族に近しい人間まで消えてしまいそうだったから。






日「それで逃げたのか」


A「……、全部から逃げようとしたんだよ。逃げようと……したんだけどさぁ…」






失敗したというよりも、逃げきれなかった。



後ろ髪を引かれて、逃げられなかった。

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