HiGH&LOW by S. - ２ -

５４. ページ7

、



A「あ、の」


純「ちょっと顔がいいからって調子乗りやがって…、こっちは合コンお呼ばれしなかったんだよ！！」


A「は、はあ…」






最早なんの話かすらわからなくなってきた上に、私たちはお使いを頼まれた身だ。



迅速に事を済ませなければいかないというのに、彼女は興奮気味になにかを必死に抗議している。






純「だいたい合コンに行って…


A「あの！」


純「あん？！」


A「先急ぐんで…、もういいですか？」


「「 待てよ！！ 」」






突如目の前にできた壁。



レディースにはもったいないくらいのスタイルと顔の良さを兼ね備えた二人組が私たちの行き先を塞いだ。






「「 結局誰の女なんだよ！ 」」


A「誰のと言われましても…」






私よりも背の高い二人組を見上げ困っていた私の元へ届く、聞き慣れた声。






コ「A？」


A「コブラ！」


純「ハァっ！」






両手をポケットに突っ込んでこちらへとゆっくりと歩み寄ってくる彼を視界に捉えた瞬間、彼女はそう息を飲む。






チ「強いて言うならコブラさんですよね！！」


A「ちょ、」


純「ああん？！」


コ「は？」






コブラがこちらに着くか着かまいかの瀬戸際でチハルが発したその言葉に、彼女は二人組を押しのけて私の目の前に突き出てきて。






コ「なに」


純「ぶ、ブラックしか受け付けねぇよ！」


コ「は？」


純「いいい、行くぞ！！」


「「 おっす！！ 」」






頬を赤らめてそそくさとその場を立ち去る彼女の後ろ姿が、あまりに乙女くさくて。






コ「なんだったんだよ」


A「よくわかんないけど、かわいー。笑」






レディースの総長とは思えなかった。

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