HiGH&LOW by S. - ２ -

９４. ページ47

、



雅「はい、このヘルメットかぶって」


A「や、だから、あの…」


雅「ほら早く〜」






なんなのこの人…ほんと…。



どうしよ…。どうやって逃げようか…。






「なにやってんだよ」






あれよあれよと連れ去られそうになっていたところへ救いの声が…






雅「お！広斗じゃん」


A「…っ、」


広「その子…」






と思ったが、天使か悪魔か、現れたのは彼の片割れだった。






雅「今からいいことシに行くんだから、邪魔しないで」


A「い、いいことって…」


広「いや、そうじゃなくて。その子、この間言った」






騒音を立てていたごついバイクに跨ったまま、ヘルメットのシールドをあげて、私の方を指さす。






雅「ぇ…ああ！鬼邪高のガキと一緒にいたっつー！」


A「？」






あんなチラッと会っただけの私のことを覚えていたらしい雨宮広斗は、どうやら天使のようで。






雅「えー、じゃあ彼氏持ちか…」


A「いや…、」


雅「んー、まぁいっか。遊び行こう！」


A「はぁ？」


広「ｸｽｯ」






盛大にわけがわからないこの兄貴に、わかりやすく眉をひそめた私を見て弟は小さく笑った。






広「んじゃまぁ行くわ」


雅「おう」


A「ぇ、ちょ、」


広「頑張れ〜」






なんて他人事な…っ！！



あなたのお兄さんなんだから、どうにかしてよ…！

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