HiGH&LOW by S. - ２ -

９３. ページ46

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ヤ『コブラ、結構呑んで酔っ払ってるからこのまま家連れて帰るわ。Aも早く帰ってきて！』






そう電話越しで話すヤマトの奥で、コブラの猪木さんについて熱く話す声と、ダンの能天気な笑い声が聞こえた。



気をつけて帰りなさいというナオミとわかれて、夜道を行く私を颯爽と通り過ぎていく一台の大型バイク。






A「…？」






そして、少し先を行ったところで重く鳴り響いていたエンジン音を静めて、バイクは止まった。



ついでに、私の足も。






「…」


A「…」






ヘルメットを脱いで、こちらを睨む男。






「やっぱりー！！」


A「？」






先ほどまで怖い顔でこちらを睨んでいたというのに、次の瞬間にはその頬にえくぼを浮かべてこちらへ駆け寄ってくる。






「超かわい〜♪」


A「……っ、雨宮雅貴…？」






この間は弟の広斗。



雨宮兄弟が二人ともこの街に帰ってきていたのか。






雅「え！俺のこと知ってる感じ〜？なら話早いや！遊びに行こ！」


A「は？」


雅「そんな怖い顔しないで！ちょっと飲みに行くだけでいいから！」


A「や、あの…






こちらの返事は耳に入れようともしない。






雅「ほらほら〜」






すごい笑顔なんですけど。

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