HiGH&LOW by S. - ２ -

８８. ページ41

、



コ「…、」






姿を消していた二週間のことを話し終えると、彼は よかった と小さく呟いた。






コ「戻ってきてくれたこと、話してくれたこと、よかった」


A「…、」


コ「話してくれるはずだとは思ってたけど、正直ちょっと不安だった…。苦笑」






ソファに深く座った彼が上体を前のめりにさせて前髪をかきあげる。



そんな、２２時少し前のお話。






コ「ありがとう、」






その落ち着いた言葉には、どんな意味が込められていたのだろう。



戻ってきてくれて ありがとう？

話してくれて ありがとう？



それとも、別の ありがとう？






A「うん。…ありがとう、コブラ……」






彼の横に座って抱えていた膝をギュッと抱きしめ直した。



たくさんの ありがとう を込めて。






A「…、」






クシャッと少し乱暴に私の髪を撫でられて、埋めていた顔を上げると、すごく優しい顔をした彼が隣にいた。






コ「A、」


A「コ…、」






頭にあったはずの手はいつの間にか私の頬に添えられて、彼のあまりにも整った顔が近づいてくる。






A「んっ、」






喰むようなキスの繰り返しの中、不意に太ももに彼の手が触れたかと思うと、そのまま自分の足をまたがせるように持っていって。



今度は余裕なく彼の腕を掴む私の手を自分の首に回すように促す。







A「ﾊｧｯ…、ん、」






忍び込んだ舌が思考を溶かすかのように絡みついて、次の瞬間には持ち上げられる私の体。



互いに求め合う唇が離れることなく、彼が寝室へと続くドアを開いたときにはもう、なにも考えられずにいた。

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