HiGH&LOW by S. - ２ -

８６. ページ39

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瑩『…、明日から早速リハビリ始めんだけどさ』


A『リハビリ…？』






やっと泣き止んだ私を見計らって、瑩は切り出した。






瑩『そ。なにせ結構な間眠ってたし、体も思うように動かねぇかんな。まぁすぐにでも走れそうな勢いで元気だけどな！笑』


A『相変わらずアホだよね』


瑩『お前も相変わらずトゲトゲしいのな。……、まぁ、それでな』


A『んー？』


瑩『完全復活したらさ…、この街出て行こうと思う』


A『ぇ…？』






先ほど院内購買にて購入したプリンが口の中からこぼれそうになったのを見て、瑩は 汚ねぇな と眉を寄せる。






瑩『もうこの街には用がないからな〜…』


A『用はないって…』


瑩『Aがいない達磨に戻る気はそうそうないし、………、そのAには帰る場所ができたみたいだしな』


A『ぇ…、』






彼は表情豊かな人物だと思う。



コロコロと表情を変えて、自分の感情を最大限に 顔 で表現する人。



かと言って、腹の中でどす黒いことを考えているような人間でもなく、芯もしっかりとした、とにかく紳士的な人だ。






瑩『ま、二度と会えなくなるわけじゃないし、たまにはこっちにも顔出すから、今生の別れじゃねぇしな。笑』






そういえばとても気前のいい人でもあったな。



少しイカツめな見た目とのギャップを誇るその無邪気な笑顔を、二度と拝むことはできないだろうと、つい先ほどまで思っていた。






瑩『ま！そういうことだから！あともう少し、よろしくな！』






なにかにハマるとその道を突っ走る系の彼のリハビリは、わりと順調に進んだ。



全身を打ち付けられ、さらに長い間寝込んでいたというのに、彼の回復力と精神力は怪物並みだった。

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