７１. ページ24
、
A「………戻らない」
日「あ？」
静寂ばかりのその場には、Aと日向の声だけが響く。
周りはだんだんと冷静さを取り戻し、そして山王メンバーはだんだんこの二人の関係性をなんとなく理解し始めた。
A「もう暴力もしない…！」
日「じゃあ、瑩はどうなんだよ」
ハハッと少しの乾いた笑い。
A「…っ、それは……」
日「てめぇのせいで瑩はああなった。どう責任とるつもりなんだよ〜。もう新しい男なんか作っちゃってさぁ」
戯けたような口調に、瑩 と呼ばれる人はどうやら日向にとってはどうでもいい人物であることが読み取れる。
一方Aは悔しさの中に混じる悲しみの影をふらりふらりと顔に浮かべていて。
よほど、大切な人だったんだろう。
A「瑩は…、」
日「動けなくなった達磨は、ただのお荷物…ってか？笑」
A「ちがっ、
日「てめぇが達磨抜けて暴力やめたからってな、あいつが目覚めるわけでもなければ、あいつがああなったことをなかったことにできるわけでもねぇんだよ」
A「…っ、だから！！だからもうやめるんだよ！！！」
日「あ？」
A「誰かを傷つければ誰かが傷つく。時にそれはその人の人生を大きく揺るがすほどの傷を与えてしまうことになる。それが暴力。そしてその象徴が 瑩 」
瑩 っていう人とAがどんな関係だったのかはわからなければ、その確証はないけれど。
A「暴力は何も生まない。生むとしたらそれは、言い様のない罪悪感と虚無感だけだ」
日「…」
A「私はもう……、誰も傷つけたくない…っ、」
コ「…っ、」
もしかして、瑩 って人は
日「なぁ………、お前気づいてなかっただろうけど、瑩はお前のこと愛してたんじゃねぇのか？笑」
A「は………？」
相も変わらずふざけた口調で、ふらふらと真っ直ぐ立つことのない日向。
日「まぁ…、てめぇが今更何言おうと、それは自分を守るための言い訳に過ぎねぇ。……、あ、そうか…」
お前が復讐したいのは、お前自身か
A「っ、」
嫌な笑みを浮かべて、日向はそう言った。
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tosaka0312(プロフ) - ようさんじゃなくてぎょうさんですよ！！！ (2018年3月21日 18時) (
レス) id: d82946a3f5 (このIDを非表示/違反報告)
AGEH - 更新楽しみにしています！この作品大好きです！ (2016年3月9日 21時) (レス) id: 26696041e1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか - なんちさんと一緒で何回も見てます。今度の更新も楽しみにしています！ (2016年2月16日 16時) (レス) id: 86817223d9 (このIDを非表示/違反報告)
かえ(プロフ) - スフィンクスさんが紡ぐお話ものすごく好きです。岩田メインの以前書いていたsmile againは消してしまったのでしょうか？？お気に入りの作品だったのですが…。 (2016年2月15日 19時) (レス) id: f6ab7ca903 (このIDを非表示/違反報告)
なんち(プロフ) - この小説好きすぎて何回も読み返してます！更新楽しみにしてます！ (2016年2月13日 14時) (レス) id: 1952de0a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スフィンクス
| 作成日時：2015年12月15日 23時
