HiGH&LOW by S. - ２ -

６９. ページ22

、



A「ぁっ、」






腕を掴んでいた男にそのまま放り投げられる形で日向の後ろに倒れこむA。






日「おーい…、随分女々しくなっちゃって」


A「いっ、」






日向はAの前にしゃがみ込んで、その顎を乱暴に掴む。



その手に力を加えているのだろう、Aは痛みに顔を歪めた。






日「目ん玉ギラギラ光らせてた百戦錬磨のAはどこ行ったんだよ！！あ？！」


A「っ、」






意味のわからないことを話しながら、Aを投げつける日向。



事の次第があまりにも読めなさすぎて、コブラさんもその状況をただただ呆然と見つめるだけで。






日「なぁ…、俺はお前に期待してたんだぜ〜？女のくせにバカみてぇに強くてよ。どんな荒行だって文句一つなくやってのけたろ」


A「あっ、ぃっ、」






立ち上がったかと思うと、今度はAの腕を踏みつけて表情一つ変えることなくそう言う。






A「あ゛あ゛っ…！」


日「これぐらい避けれんだろ！なぁ！！A！！」


A「っ！」






その途端、先ほどまで痛みに顔を歪めていただけだったAが、踏みつける日向の足を掴んでそのままぐるりと回ったことにより逆に日向が倒れこんだ。






A「…、」


日「なんだよ。全然劣ってねぇじゃん……、ォッラァァ！」


コ「Aっ！」






すぐに立ち上がった男の、振り上げた拳がなんの構えもない女の子に降りかかるそう思ったその時。






ﾊﾟｼ…ｯ






「「 …？！ 」」


A「……」


日「へぇ…」






ただの女の子だと思っていた。



俺たちが守るべき、コブラさんが守ってやりたいと思ってる、か弱い、女の子






コ「A…………？」






…………の、はずだったのに。



彼女は、その拳を受け止めた。

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