HiGH&LOW by S. - ２ -

６１. X'mas special ページ14

、



ナ「てかさ、」






そんな会話を交わす私たちに、一通り毛布をかけ終えたのか、ナオミが歩み寄ってきた。






ナ「ん、これ」


A「なにこれ」






ナオミが私に手渡したのは真っ黒な四角い箱。






ナ「こいつから。きっと渡すタイミングないだろうから渡しといてって」


A「コブラから…？」


ナ「普通に、渡すの恥ずかしかっただけだよ絶対。笑」






最後の毛布を眠る彼にかけたナオミが悪戯っぽく笑う。






A「わ、」






受け取ったケースを開けると、中から出てきたのはシルバーに輝くネックレスで。







ナ「うわー、洒落てんな。笑」


チ「やべぇ、コブラさん超かっけぇ！」






驚いてネックレスと彼を何度も行き来する私の視線に、ナオミとチハルが声を上げた。






A「こんな…。……、私何にも用意してないのに…」


ナ「そんなこと気にしなくていいの。コブラはそんなこと気にするやつじゃないし、Aが喜んでくれたなら、それが一番のプレゼントなんじゃない？」


A「……、嬉しい…」






照明に反射して輝くネックレス。






ナ「つけてみなよ」


A「あ、うんっ」






そう促されてつけてみて、やっぱり嬉しくて。






ナ「めっちゃ似合うね。笑」


チ「綺麗っす、Aさん！……あ、じゃあ、写真！！」






笑みの止まらない私を、チハルはポケットから取り出したスマホにしっかりと収めた。






A「ありがとう、コブラ…」






眠る彼にそっと呟いて。



彼が起きたらもう一度、きちんと伝えよう。

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