HiGH&LOW by S. - ２ -

５９. X'mas special ページ12

、



コ「ノボルも来年、ここにいれればいいな…」






ふと後ろを振り返って、ワイワイとどんちゃん騒ぎの彼らを何処か遠くに見つめて。






コ「もちろん、A、お前もな」


A「…、うん。ありがとう」






彼からの言葉に嬉しくなって微笑むと、こちらを見つめていたその瞳と絡まる視線。






A「…っ、」


コ「…、」






その時のことはよく覚えている。



端整な顔が、交わる視線を離すことなく近づいてきて。






A「っ、」






それから小さく触れた唇。



すぐに離されたそれだったが、やっぱり彼への視線は離すことができなくて。



キスを終えたその微妙に近い距離に息が止まったような感覚に陥った。






ｶﾞｯｼｬｰﾝｯｯ






A「っ！」


ナ「あー！もう馬鹿なにやってんだよ！A、そこのタオルとって！」


A「ぁ…、あ、うん…！」






あんなにもガッチリと絡み合っていた視線は、背後で起きた音とナオミの声にいとも簡単に解けてしまった。






ナ「……、A酔った？顔真っ赤だけど」


A「ぅ、ううん。全然。大丈夫」


ナ「そ？」






割れたグラスの破片を集めながら、心臓が破裂してしまうのではないだろうかと思うほどに激しく動く。






コ「…っ、」






背後に感じる彼が、どんな顔をしていたかなんて、知る余裕すらなかった。

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