HiGH&LOW by S. - ２ -

５８. X'mas special ページ11

、



A「お隣お邪魔しまーす」






パーティも終盤というのに、彼らの熱はまだまだ収まらない。



あれよこれよと盛り上がる彼らを背景に、カウンターに座り一人グラスを傾けるコブラの横に座った。






「「 一気飲み！！ 一気飲み！！ 」」


コ「うるせぇなまじで。笑」






後ろで異様に盛り上がる彼らを、コブラはそう言いながらも温かい目で見守っていて。






A「みんなで集まったらすごく楽しいね」


コ「馬鹿ばっかだかんな」


A「うん、だけど、うん。笑」


コ「んだよ。笑」






左の口角だけを上げて笑った彼がグラスの中の液体をじっと見つめる。






コ「…、」


A「…、ここにノボルもいたらな……」


コ「っ、」






あの時のヤマトと同じように、私の言葉に対して不信感を抱くその瞳の奥。






A「……、幼馴染とか親友とかそういうのって、見えない深い絆で結ばれてるんだよ」


コ「…、」


A「それはそう簡単に切れてしまうようなものじゃなくて、硬くて頑丈な、それさえあればなんでも乗り越えてしまえるような、そんなもので」


コ「…」


A「彼には、今の彼には、何処かで自分の帰りを待ってくれている誰かが、自分の帰る場所が必要なんだよ。ただ、彼の中でそれが見つからなくて」






すぐそばにあるのに、それには気づかなくて。






A「だから、そんな誰かに、場所に、コブラたちがなってあげないといけないんだよ」


コ「…っ、」


A「ノボル…くんはきっと、来年の今日ここでみんなと笑い合ってるはずだから」






聖なる夜には不釣り合いな言葉だけど、少しでも彼の支えになればいいと思う。






コ「ん、ありがとう……」

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