HiGH&LOW by S.

５. ページ6

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−−−…



ヤ「いってぇ！」


ナ「ちょちょちょちょ、ジッとしてろよ」






口をいっぱいにしたヤマトの背中の傷を手当てしているナオミは、呆れたように振り向く。






ナ「毎日毎日喧嘩ばっかり。……、バカじゃねぇの」






こんな光景ももう見慣れたものだ。






ヤ「バカじゃねぇよ。なぁ！クズやってなにが悪ぃんだよ」


テ「そうっすよ。それにこの間の奴らだって、ドラッグ売って金儲けして？おしまいには女にこっそり飲ませて眠ってる間に…！」


ナ「んなの警察の仕事だろ」






振り下ろされたナオミの手のひらは、ヤマトの背中で良い音を立てた。






ヤ「いってぇええ、痛ぇってば」






それを見てニヤつくチハル。






ダ「ナオミちゃん、俺ら山王連合会は自分たちの生まれ育った町を守る。ただそれだけや。…せやなぁ、コブラ」


コ「………ああ、そうだ。ただ…、あいつらともめたらめんどくせぇ」






私の隣に座り雑誌を開いていた彼が、どこかを見つめながらそう言った。



崩してはならない絶対的な均衡、SWORDのSに鎮座する山王連合会がリーダー、コブラ。






ダ「…そやな。SWORDの均衡だけは崩したらあかん」






場の空気が重くなっていく。



ナオミ、ヤマト、コブラの三人はなにも語らない。



だけどこの三人にはきっと何かがあった。



私たちには踏み込めない、何かが。

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