HiGH&LOW by S.

３７. ページ38

、



ｶﾞﾁｬ






テ「ただいまーっす」


「「 え 」」






ダンを探しに行っているはずの彼らがぞろぞろと帰ってきた。






A「ダンのこと探しに行ったんじゃなかったの…？」


コ「…、」


ダ「よ！A。無事で何よりやわ！」






予想以上に早い戻りに呆気にとられる私の前に能天気に笑うダンが出てきて、そんな彼をコブラが少し睨む。






ダ「す、すんません…」






反省する気ねぇだろ、的な目をしたコブラはいつものソファ、私の座る横へとドカリと座って、他も各々腰掛けた。






コ「ダン、何があった」






先ほどまで能天気に笑っていたダンはもういない。



真剣な表情でコブラからの質問にえらいとこ行ってもたと得意の関西弁で述べて、ポケットから黒い小袋を取り出してテーブルの上に置いた。






ダ「レッドラムって呼ばれとる新型のドラッグや。去年から湾岸地区で流行っとって、最近ではSWORD地区でも出回り始めとる」


コ「前にシめたやつらが持ってたあれか…」


テ「あ…、そうっすね」


ダ「しかも……、そこで誰見たと思う？」






いつになく真剣な、少し怒りのこもったような表情で視線を左右に揺らしてから呟くようにある名を告げた。






ダ「チハルや…」

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