HiGH&LOW by S.

３５. ページ36

、



コ「Aっ！？」


ナ「しーっ！うっさい」






ITOKANにAを送り届けると、口早に White Rascals に追われていたことを説明した。







ナ「さっき寝たとこ。そっとしといてやれ」






走り続けていた興奮がおさまってきて、疲れたのかウトウトしていたAは今やソファでスヤスヤと寝息を立てる。






テ「怪我は一つもありませんでした。本人もなんともないって言ってました」


コ「ダンの野郎あいつ…」


テ「ダンさんは！…Aのことを守ったって、だから怒るなって言ってました。Aが」


コ「…、」






俺からの言葉に大きな溜息を一つ吐いたコブラさんは、眠るAの元へ歩み寄って、着ていたジャケットを彼女に優しく優しくかけてあげて。



なんとも絵になるその光景。



そこだけ、柔らかな雰囲気が流れている。






テ「…、」






ｶｼｬｯ…






スピーカー部分を指で精一杯に塞いで、なんとかコブラさんにバレないでその風景をスマホに収める。



あとでインスタにあげちゃおーっと…






ppp…






静かだった空間に鳴り響いた通知音に驚いて咄嗟にスマホを隠すが、鳴ったのはどうやらコブラさんのスマホのようで。






コ「…テッツ、行くぞ」


テ「え？どこに？」


コ「ヤマトから連絡が入った」






あー、そういえばヤマトさん、あの後どうしたんだろ。



ダンさんみたいに White Rascals に追われてたりして。



まぁあの人に限ってそんなことはないか。






コ「Aのこと頼む」


ナ「はいはい」


テ「お邪魔しましたーっ」

３６.→←３４.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す