ヘリオトロープ【HiGH&LOW】

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「え なに 山王？」


教室に入ってくるや否や、突然意味不明な発言をした古屋に飛びつくように返した言葉。
一方の番長は机の上でぼーっと上の空、だけど多分聞いてる。


「…ああ…、あいつ追っかけてたらいつの間にか山王の敷地内入っちまったみてえで…。
そん時手出してきたやつが山王連合会の奴だったんだ」


チハルって何も知らないバカが古屋に殴りかかって、皆が追っかけて行ったとこまでは見ていた。皆が走りまくってる姿を校舎の窓から乗り出して見ながら爆笑しちゃったけど。



古屋の後ろで苦い顔をしている他の奴等。
一方の古屋は怒りが溜まっているのか足を揺らしながら返事を待つ。


「で チハルの奴がいま山王いるって事か」

古屋が頷いたのを確認して、面倒な事になったなーと項垂れた。と同時にワクワクしてる自分もいる。


「ですって番長、どうします」


溜息つきながら隣を向くと、天井見ながらぼーっとしていた番長は首を動かしてゆっくり前を向いた。
高く飛び上がって机から降りた番長の前に道が出来る。


「…返して、もらわねーとなあ」

その言葉を合図に男達が威嚇の叫びを上げた。
腰に巻いていた学ランを肩からかけて、これから起こる事にワクワクしながら軽く飛び跳ねる。

番長のすぐ後ろ、古屋と並んだ定位置について校舎を出る。


久々の感情にニヤニヤが止まらずにいると、隣の古屋に何故か舌打ちされた。



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