みうら姉弟の日常【三浦宏規】 (ページ28)

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昨日の夜、宅配便で大量の振袖のカタログと手紙が届いた。

今日、手紙を読んだら

〝この中から前撮りの時に着たい振袖を
宏規と一緒に決めてね″

と書かれてたけど、
地方公演と稽古が立て続けに入っていて家にいない宏規と一緒は無理に近い。

『…んー何がいいのかなぁ』

ソファーに座ってカタログをめくって見るけど、どれも可愛くて迷ってしまう。

「何、見てんの？」

『えっ！？』

急に出てきた腕と声に、動揺しすぎて重心が前に傾く。

「おっと…。ごめん、大丈夫やった？」

宏規が後ろに引っ張ってくれたおかげで青タンは回避できたけど、

『え、なんでいるの！？』

たしか、今日からノスワンの稽古で
17日から陰陽師の歌稽古
26日から30日までは大阪でつはものの公演

その後も予定は詰め詰めで殆ど家に帰れないって言ってたはずなのに…。

「んー？充電しにきたから？

てか、振袖のカタログやん！」

私よりテンションが上がっている宏規は
ソファーに腰掛け、脚の間に私を移動させる

何でわざわざ移動させたんだろう？
ソファーだってそんなに小さいわけではないのに…。

疑問に思っていると、宏規が口を開く

「Aに会えなくて寂しかったから充電させて？」

数十分、宏規に抱きしめられながら
この着物は個性的だとか
何となく髭切っぽい着物だとか
話しながら決めていく。

ふいに宏規の腕の力が弱まる。

『宏規？』

確認するとまさかの寝落ちていた。

どうしようかな…
流石に宏規をベッドまで運ぶ力は私にはないし、
まずこの状態ではあまり体を動かせない

とりあえず、揺すってみるけど変わらず規則正しい寝息が聞こえるだけだった。

……考えるのも面倒だから一緒にここで寝よう。

体制を向き合うように整えて横になる。

宏規とこうやって一緒に寝るのは幼稚園以来だけど、やっぱり安心するから定期的に一緒に寝ようかな。

『明日からも頑張ってね。…おやすみ』