かなわないやつ (ページ9)

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結局俺の選択は前者だった。

真っ直ぐ自宅へ帰宅して、
ちゃちゃっと寝支度を済ませて。
今はベッドでスマホタイムである。

『今日は、来なかったんだね。』

というメッセージと共に、しょんぼりした顔の
スタンプが送られてきていて。
送り主なんて、見なくても分かる。
俺の可愛い人からのもの。

『来て欲しかった？』

俺がそう送れば直ぐに返事が返ってきて。

『うん。』

このひと言で、リアルにしょんぼり顔の
宮舘が鮮明に頭に浮かぶから驚きだ。
行かなくて申し訳ない。
そんな、気持ちを込めて。

「もしもし、涼太ー。」

「ちょ、電話は、ずるい…。」

ワンコールで出たくせに。
電話口であわあわしてるって、どういう事？

「辰哉、今日は楽しかった？」

「楽しかったよ。」

そっかー、って小さく言ってる宮舘。
思い出し笑いなのか、少し笑ってて。

「俺も、今日は楽しかったんだ。」

声色が楽しそうだから、良かったね。って
頭を撫で回したい気待ちになる。
が、電話だからそれはできないもどかしさ。
これ以上話してると宮舘に触れたくなりそうで。

「涼太、良い夢見ろよ。また明日な？」

「…うん、また明日。おやすみ、辰哉。」

突然に終わらせてしまったかな。
少し寂しそうな声にさせてしまった。
切れた電話の画面を眺めながら、ぼーっと寝転ぶ俺。
明日は、宮舘にいっぱい触れよう。
宮舘の笑顔を補給したいし。

…ふあぁ。眠た、寝よ。