かなわないやつ (ページ3)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:26,841 hit

ページページ3

その夜、俺は宮舘の家に転がり込んだ。

「ふっか、帰る手段ないしね。」とか、
仕方なさそうな表情してた割に。
「これ、着れるかな？大丈夫？」って
楽しそうに俺に着せる(？)寝巻を選んでる辺り。
この人本当は俺の事帰したくなかったんだろ！
あざといかよ！可愛いかよ！尊いかよ！
って俺の中の俺が叫んでる。
我ながら気持ち悪いと思うから思うだけで、
死んでも本人には言わない。

「でもさ、ふっか？」

悶々としながら寝支度を整えていれば、
不意に呼びかけられて。

「ん？どした。」

「誰も俺たちが付き合ってるとか、思ってなさそうだよね。」

そう。実は…って実はでもねえか。
俺と宮舘は付き合っていて、且つそれをメンバーには伏せている。

「翔太にもバレてないんだっけ？」

「バレてないよ。気づかないでしょ、多分。」

その推測は強ち間違ってないと俺も思う。
多分、渡辺は俺たちから言わない限り気づかない。
今日のことも確実にただの喧嘩だと思っているだろうから。

「ふっかは、照にバレてないの？」

「ん？あー、んー。どうだろ。」

多分、照のことだから俺の変化に気づいても、
俺が言うまで待つってスタンスなんだろう。
それか、本当に気づいてないのか。
どちらかしかない。

「まあ、どちらにせよ俺たちは大丈夫だよ。」

って宮舘を抱きしめれば。

「不安になる事、ないね。」

なんて。声から感情が伝わってくるから愛しくて。
普段はポーカーフェイス宮舘なのに。
俺といると感情だだ漏れって。

「可愛いな、ったく。さっきまで不安がってたの誰？」

「…それは！ちょっとくらい、いいじゃん…。」

唇尖らせて、恥ずかしそうに俯いちゃって。

「ねえ、可愛くて仕方ないんだけど。」

「ちょ、待っ…！どこ触ってんだよ…！」

さてと、この後何があったのかは察して。
可愛い俺の宮舘を、他の人に見せたくないからね。
…なんつって！