いい花はあとから (ページ17)

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その様子をしばらく見ていれば、慎太郎はその人を店内に招き入れた。

「じゃーん」

「っえ！」

カウンターで事務作業をしていた手を思わず止めて立ち上がる。

「…えっ、と大月さん！」

「どうも」

そこには、ぺこり、と浅くお辞儀する彼女。

「外で会った！」

「通りかかったら森本さんに声かけられて、ジェシーさんも働いてると聞いたので」

彼女の一歩後ろに立って、ニヤつきながら俺を見る慎太郎は、頑張れとでも言いたそうにまた仕事に戻っていった。

「へっ？あ、そうだったんですね、はは」

いつ見ても本当に瓜二つすぎて、本当に君が戻ってきてくれたのではないかと錯覚する。

「怪我はもう大丈夫ですか？」

「お陰様で、すっかり良くなりました」

額をおさえながら言えば、よかったと笑う彼女。

いつも緊張しないのに、彼女を前にするとダメだなぁ。

俺たちの間に流れる微妙な空気を感じながら、突然ハンカチの存在を思い出した。

「っあ、ちょ、ちょっとまってて」

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