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「 お参りしよか 」
神ちゃんちは
秋祭りの会場となる通りのど真ん中。
神ちゃんちから歩いてすぐの神社には
たくさんの人が参拝に集まっている。
『 外国の人も多いね 』
「 うちの店も、今年は外国の人の予約が多かったみたいやで? 」
神ちゃんと並んで歩いていると
海外からの観光客が
目をキラキラと輝かせ
私たちにカメラを向ける。
まぁ、着物を着るなんて風習
いまどき聞かないしね。
「 流行りの映え〜やな 」
そう言って
神ちゃんが笑い
羽織りの袖からスマホを取り出した。
「 記念やし、俺らも映え〜しようや 」
内カメにしたスマホを握り
私の肩をグッと引き寄せた神ちゃんは
私の頬に顔を寄せ
シャッターを切った。
「 あとで送るわー 」
そんなことを
顔色も変えずに言う神ちゃんは
スマホをしまいながら
さりげなく私の手を握る。
「 Aの手、あったかいわ 」
それが
神ちゃんにとっては
自然のことなのか
私には分からず
私はただただ
体中に響くほどの胸の鼓動と
熱くなる体温を必死に抑えていた。
だけど
その先に見つけてしまったんだ。
瞳をユラユラ揺らしながら
私たちを見つめる、その人を……
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全然伸びなーい(´;ω;`)
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作者名:小島美奈 | 作成日時:2018年10月6日 22時