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『 ……ごめんね？ 』
どうして謝ったのかは
分からないけど
自然に出た言葉に
だいちゃんは
「 別に 」と
目を合わせることなく答えた。
紗奈ちゃんは
そんなことなんてお構いなしに
ニコニコしながら
だいちゃんの隣を歩いている。
紗奈ちゃんが
明るい子なのは知っていたけど
実際、一緒に行動してみると
結構不思議な子なのかも……
「 はいっ！じゃあ、次は……あのコンビニまで！ 」
そう言って
紗奈ちゃんが指す先は
なかなか遠い。
「 もういいやろ 」
電柱に着いただいちゃんが
重そうに荷物を下ろすと
ちょっとイラついたように呟く。
「 はいっ！ジャンケン…ポンっ！ 」
でも、やっぱり
かけ声をかけられると
反射的に手を出してしまうもので……
「 あー！Aちゃんの負けだー！ 」
そんな
嬉しそうに私を指差した紗奈ちゃんに
私は苦笑いを浮かべることしかできない。
「 ……はいっ、Aちゃん。あのコンビニまでだからね！ 」
ヨイショ、と
買い物袋を持ち上げた紗奈ちゃんが
私の手にその袋をかけた。
「 ……持つ必要ないやろ 」
でも
重たくなったはずの両手は
一瞬で軽くなり
隣を見れば
私が渡されたはずの買い物袋を肩にかけ
私に背を向けただいちゃんがいた。
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作者名：小島美奈
| 作成日時：2018年10月6日 22時
