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「 タコは悪なるから、先生が当日買ってきてくれるって 」
買い出しのメモを確認しながら
神ちゃんがみんなに言う。
各自、両手にはいっぱいの買い物袋。
重たいものは
だいちゃんと神ちゃんが
持ってくれているから
私と紗奈ちゃんの分は比較的軽い。
「 ごめんな?2人にまで持たして 」
『 何言ってるのー。買い出し班だもん、私たちにもこのぐらい持たせてよ 』
「 大丈夫やろ、こんぐらい。なんやったら、もう少し持って欲しいぐらいや 」
申し訳なさそうに
私たちを見る神ちゃんとは反対に
「 心配し過ぎやろ 」と
冷たい反応のだいちゃん。
でも
そんなこと言ってるわりに
私と紗奈ちゃんの袋から
ヒョイヒョイと商品を抜いて
自分のに入れていただいちゃんは
やっぱり優しい。
「 ねぇねぇ!ゲームしようよ!ジャンケンで負けた人がみんなの荷物を持つの 」
……なんて
突然、声を上げたのは紗奈ちゃんで、
せっかく
神ちゃんとだいちゃんが
気を遣ってくれたのに
それを打ち砕く
まさかの提案だった。
「 じゃあ、最初の人はあの電柱までね!せーのっ! 」
誰かが口出しする間もなく
「 ジャンケンポン! 」と発された号令に
反射的に手を出した。
「 はいっ、重岡くんの負けーっ! 」
楽しそうに笑う紗奈ちゃんと
その横で眉間にシワを寄せるだいちゃん。
そして
私の隣には
少し困ったように笑う神ちゃん。
決して見えないけど
おそらく私も
神ちゃんと同じ顔をしていると思う。
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作者名:小島美奈 | 作成日時:2018年10月6日 22時