彼岸花の咲く頃に (ページ3)

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「おかえり、Aー。…で？どうやった？」

『もう、ホントだいちゃん意味分かんない！』

「その様子やと、ダメやったみたいやね」

自分のクラスに戻ると
前の席の神ちゃんが
苦笑いで私を迎えた。

神ちゃんとは
席替えをキッカケに仲良くなった。

優しくて責任感があって
男なのに
女の子の気持ちも分かる神ちゃんとは
一緒にいて楽しい。

だいちゃんとは
同じ部活みたいだけど
２人とも
お互いの話はしてくれないから
正直、仲が良いのかは不明。

『毎年欠かさず行ってたのに、今年になって急に行かないとかありえない！』

「そうやなぁ～」

遠くの方を見ながら
なんとなく
気の抜けた返事をした神ちゃん。

『神ちゃん！ちゃんと聞いてる？』

「聞いてる、聞いてる」

『嘘だっ！絶対、今、聞いてなかった！』

なんて
ほっぺを膨らませれば
神ちゃんは
優しく笑いながら
私の頭をぽんぽんとなでて
簡単になだめてしまう。

「 ……それで？秋祭り、どうすんの？」

『んー。だいちゃんには拒否られたし、他に行くような人もいないしなー』

「それやったら……俺と行ったらいいやん」

『 ……えっ？』

そんな
私のマヌケな返事は
ホームルームの時間を知らせる
チャイムに重なって消えてしまった。

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