彼岸花の咲く頃に (ページ17)

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そして
迎えた日曜日。

待ち合わせ場所である
学校の校門前に向かう。

『ちょっと早く出過ぎたかな… 』

少し肌寒くなってきて
去年の秋ぶりに出した
白いニットのワンピースに顔をうずめる。

久しぶりのお出かけだからと
ちょっとだけ気合いを入れて
髪をゆるく巻いたり
メイクなんかもしてみたり…

『んー、やり過ぎ？』

なんて
一人で呟いて
思わず吹き出す。

すると
「さみぃ～っ」と
特徴的な声が聞こえて
思わずハッとする。

慌てて隠れようとするけど
「何してんねん」と
後ろから声が飛んできて
何事もなかったみたいに
背伸びをした。

『べ、別にっ！ちょっと…体操でもしようかな、って』

あっそ、と
簡単に流された会話で
一気に気まずさが増す。

『 …… 』

「 …… 」

心の中で
２人とも早く来てよ！と叫びながら
しげちゃんと視線が合わないように
目線をキョロキョロさせた。

「お前、香水つけてんのか？」

『えっ？』

「オカンみたいな匂いする」

たしかに
変に大人ぶって
お母さんの化粧台にあったコロンを
軽くつけてきた。

「くっさ」

それにしたって
鼻をつまんで
あからさまにイヤそうな顔するのは
さすがに傷つく…。

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