一人咲く彼岸花と賢者の石【HP】 (ページ5)

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大広間に入ってきた小さな新入生達は何千本ものろうそくが宙に舞い、夜空のように広がっている天井を見たり、これから何が起こるのだろうと身を寄せ合い、震えている者もいた。

「ここで止まりなさい。」

副校長である、ミネルバ･マクゴナガルが新入生にそう言うと、椅子に置いてある組み分け帽子が急に歌いだす。

その歌はA達の時、そして毎年同様に帽子自身が寮を決めてくれる、というような内容だった。

「一年かけて作った歌があれか？もう少しましなのだったら俺でも作れるな。」

『いいの、あの程度で。帽子にハイクオリティ求めないで。』

マクゴナガルが新入生の名前を呼び、帽子を被せる。

アボット･ハンナが｢ハッフルパフ！｣と決められたところから始まり、｢スリザリン！｣と帽子が叫ぶものならAも手を叩いた。

そして選ばれし者といわれるハリー･ポッターの名前が呼ばれる。

「ポッター･ハリー。」

大広間には“沈黙”という言葉がピッタリだった。

ハリーが帽子をかぶってしばらくするとやっと組み分け帽子が口を開いた。

「グリフィンドール！！」

グリフィンドールのテーブルからとんでもない大きさの拍手が巻き起こる。

「流石、ハリー･ポッターだな。」

「彼をスリザリンで取れなかったからと言って不貞腐れない。」

ドナはそう言うが、

「ポッターを取ったぞ！」

「伝説の少年だ！」

「グリフィンドールに栄光あれ！」

の声に腹が立ち、結局持っていたゴブレットをどこかに放り投げたのはAもマイクも周りにいた生徒も目撃してしまった。

そのうち儀式が終了し、ダンブルドアが挨拶を始めた。

「ホグワーツの新入生よ、おめでとう！わしから二、三言言わせていただきたい。ではいきますぞ？そーれ！わっしょい！こらしょい！どっこらしょい！以上！」

「安定ね…」

ドナが呆れたようにそう言うと、あっという間に目の前の大皿がいっぱいになった。