一人咲く彼岸花と賢者の石【HP】 (ページ30)

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『Aでいい。ミスター･ウィーズリー？』

Aがニヤリとして言えばウィーズリー少年は髪と同じように顔を真っ赤にした。

「ど、どうして、それを？」

『ホグワーツの赤毛はウィーズリーしか居ないの。それに、フレッドとジョージが弟が入学するって言ってたしね。』

「兄貴たちが？…僕、ロン･ウィーズリー。」

ロンは緊張した面持ちでAに言う。

「ね、ねぇ、Aはホグワーツで一番の魔女なんでしょ？だったら、フラッフィーが守ってるものも何か分かる？」

『そうね、少なくともあなた達一年生が関わるべきものでないということはわかる。…そんなに知りたければハグリッドに聞いて。私は知らない。』

「おい、A！…お前ら、もうこれ以上聞かんでくれよ！重大な秘密なんだ、これは。」

ハグリッドがAの名前を言うとAは知らん振りをした。

「でも、スネイプが盗もうとしたのよ。」

ハーマイオニーがそう言うとハグリッドは｢馬鹿な。｣と繰り返した。

「スネイプはホグワーツの教師だ。そんなことするわけなかろうが。」

『その通り。』

まぁ、教師の中には危ない人も居るけど…

「なら、どうしてハリーを殺そうとしたんだよ！」

『殺そうとした？』

「A、ハグリッド、私呪いをかけているかどうか一目でわかるわ。本で読んだもの。スネイプは瞬きひとつしなかったわ。」

「お前さんたちは間違っとる！」

ハグリッドは譲らない。

「なんでハリーの箒があんな動きをしたのかは俺は分からん。だがスネイプは生徒を殺したりなどせん！三人ともよく聞け。お前さんたちは関係の無いことに首を突っ込んどる。危険だ。フラッフィーの事もフラッフィーが守っとる物のことも忘れろ。あれはダンブルドア先生とニコラス･フラメルの、」

『んんー！』

Aは思わず咳払いをする。

『さて、その気力を勉強に注ぐ気になったらまた話しましょうね。』

ハグリッドがあたふたとしている横でAは三人に微笑む。

『どういう意味かはあなた達が寮に戻ってロンのお兄さんでもアンジェリーナでもケイティにでも聞けばわかる。…じゃ、ハリー、クディッチデビューおめでとう。』

Aは一番伝えたかったことを言うとスタスタと城の中へ戻って行った。

「ありがとう……A。」